宇治吉田運送、明るく元気な会社づくり 地域・顧客大切に経営
物流企業
2016/12/12 0:00
【京都】宇治吉田運送(吉田実子社長、京都府宇治市)では、地域密着型の経営で堅実に事業を展開している。11月末に行われたワーク・ライフ・バランス推進企業フェアでは、就職活動中の学生らに会社の魅力を発信。10月には宇治市主催の環境フェアにも初めて出展し、積極的に地域に密着した会社をアピールした。吉田社長(66)は「宇治と言えば、宇治吉田運送と真っ先に思い付いてもらえるよう頑張りたい」と強調する。(落合涼二) 1964年2月に創業し、現在54年目。一般貨物自動車運送事業に加え、一般貸切旅客自動車運送事業、旅行代理店、お弁当販売などを手掛ける。吉田氏は2001年社長に就任。地域及び顧客を大切にした会社運営を心掛けてきた。 ワーク・ライフ・バランス推進企業フェアには、「京都モデル」ワーク・ライフ・バランス宣言企業に登録していたことが縁で参加。仕事と家庭の両立ができる職場づくりに向け、「年次有給休暇の計画的付与」「自己啓発のための時間の確保」を掲げている。フェア当日は男女一人ずつ来たものの、「ドライバーの採用を2人予定しているが、なかなか厳しい」。以前参加した就活フェアでは、事務員とドライバーを募集。事務員には10人の応募があったという。 2015年から年2回のペースで社外報を発行、500部を取引先や関係者に配布している。「社長の思い」として、最近の出来事や身近な話題を提供。「何がきっかけで仕事が始まるか分からない。積極的に種をまき、コツコツ真面目に取り組んでいけば、やがて花が咲く」 宇治市の環境フェアに参加したのも、そのような考えに基づくもの。07年1月に、京都独自の環境認証規格「KES」のステップ1に登録。環境保全活動としてエコドライブや事務所周辺の掃除、緑化対策の一環として、フタバアオイを育成していることなどを紹介した。 「地元に根付いた活動を継続していけば、輪も広がる。我が社では、引っ越しにも力を入れているが、全て社員が手掛ける。リピーターも多く、以前の状況を知っている社員がおり、『安心して依頼できる』との評価をもらっている。定着率が良いのも強み」 お弁当販売を開始したのは16年5月から。社員に安心して働いてもらい、幸せになって欲しい――という気持ちから生まれた。「自分で作った野菜やこだわりのお肉を使ったメニューをそろえている。元気で働くには食事も大切」 安全性優良事業所認定(Gマーク)は制度が始まってすぐ取得。15年1月には引越事業者優良認定(引越安心マーク)も受けた。社員数はパート含め20人で、女性ドライバーも1人所属している。グループの旅行会社はシルバー人材活用にも役立っている。 「既存の会社と違うことをしようとチャレンジした。社員が安心して働けるとともに、他の人から行きたいと思われるような会社づくりに努めたい。これからも『人・物すべてを運びます』をキャッチフレーズに、物流は『手から手へ・人から人へ』届けるものと考え、常に一同、心をそろえて明るく元気な会社づくりを目指したい」 【写真=11月28日開かれた就活フェアで会社の魅力を発信する吉田社長(左)】