ヨコレイ、営業・経常益が過去最高 前期 新設4拠点、高稼働
物流企業
2016/12/05 0:00
ヨコレイは11月30日、報道関係者向けの2016年9月期決算説明会を開催した。営業利益、経常利益ともに過去最高を記録。食品販売事業で畜産品の取扱量が減少したため減収となったものの、14年から15年にかけて開設した国内外の物流施設4拠点がいずれも高稼働となり、増益に寄与。引き続き、冷蔵倉庫の全国ネットワーク整備と広域営業、提案型営業に注力していく。 前期業績は、売上高1486億900万円(前の期比4.0%減)、営業利益51億6900万円(33.4%増)、経常利益53億4200万円(32.2%増)、純利益29億3200万円(16.5%増)。食品販売事業で、需要が伸び悩む畜産品の一部の仕入れを抑制したため、全体として減収となった。 ただ、冷蔵倉庫事業は、売上高247億5600万円(2.6%増)、営業利益57億5100万円(21.1%増)と増収増益を確保。セグメント別営業利益も過去最高だった。 冷蔵倉庫事業では、15年9月期までに稼働したタイ中部のアユタヤ県のワンノイ物流センター2号棟、石狩第二物流センター(北海道小樽市)、夢洲物流センター(大阪市此花区)、都城第二センター(宮崎県都城市)の新設物流拠点が高稼働で推移。 また、今期を最終年度とする3カ年中期経営計画に盛り込んだ冷蔵倉庫の「保管・物流拠点化」「全国ネットワーク化」に基づいた広域営業、提案型営業も奏功。前期に竣工したタイ中部のチャチューンサオ県のバンパコン第2物流センター、十勝第三物流センター(北海道芽室町)の臨時経費を吸収した。 また、1969年竣工の子安物流センター(横浜市神奈川区)は老朽化に伴い、解体することを決定。跡地の利用計画などは決まっていない。 今期も全国ネットワーク化や広域営業を推進。主に、全国展開の食品メーカーやコンビニエンスストア向け冷凍食品の需要取り込みを図る。中計最終年度となる今期は売上高1650億円(前期比11%増)、営業利益57億円(10.3%増)、経常利益57億円(6.7%増)、純利益32億円(9.1%増)を目指す。 西山敏彦社長は「熊本地震、イギリスのEU(欧州連合)離脱、大型台風の北海道直撃、ドナルド・トランプ氏の米大統領選当選、円高株安など、『想定外』が続いた一年だった。こうした中で、当社が営業利益、経常利益ともに過去最高を達成できたのはありがたいこと」と話した。(吉田英行) 【写真=「『想定外』が続く中で営業利益、経常利益とも過去最高を達成できた」と西山社長(中央)】