静岡市物流団地が稼働 中小5社、経営効率化へ協力
物流企業
2016/12/05 0:00
静岡市物流団地協同組合(杉山節雄代表理事)が、造成を進めていた静岡市物流団地(駿河区)が11月29日に完成し、本格稼働した。同市内の中小運送事業者5社による事業で、中小運送事業者が集まった団地化は県内で初めて。本社や倉庫を移し集団化することで、経営の効率化や人手不足、価格競争の激化などの諸問題に協力して対応していく。総事業費は15億円。 静北運輸(杉山節雄社長)、マーキュリー(内田孝治社長)、正和物流(八木正彦社長)、萩原(萩原信介社長)、ワイ・エイチ・エス(杉山吉美社長)が参加し、2014年10月に協同組合を設立。国と県の中小企業高度化事業の開発許可を受け高度化資金を活用、計画立ち上げから5年をかけて竣工した。 同市内陸部の国道1号沿いに立地し、東名高速道路・焼津IC(インターチェンジ)、新東名高速道路・藤枝・岡部ICに近い。2万9840平方メートルの土地に、共同事務所棟と各社の倉庫を建設。 事務所棟には各社のオフィスと共有休憩室、受委託点呼を行うスペースを設けた。駐車場は大型車150台分を確保。60キロリットルの給油設備や自家発電装置も備えている。 施設の共有化と、点呼や配車、燃料購入、教育といったソフト面での共同化を推進し、各社の事業の効率化と管理コスト低減、安全性向上を目指す。県の「内陸フロンティア推進区域」の認定を受けており、災害時には支援物資の物流拠点として活用する。また、静岡市と災害協定の締結に向けて協議を進めている。 同日開催した神事と披露式には、行政や金融機関、トラック事業者、建築関係者らが参列した。 杉山代表理事は「皆さんと建設を進める中で、素材から製品になって、お客さんが手にした時の笑顔を想像して運ぶことが大切という思いになった。施設はできたが、これからどうするかが大切。安心・安全な業界にし、夢を形にしていきたい」とあいさつ。 静岡市の田辺信宏市長は「経済拠点、防災拠点として市民の生活を守って欲しい」と祝辞を述べた。また、静岡県トラック協会の大須賀正孝会長も「多くの問題を抱える我々の業界の見本になる素晴らしい団地が完成した」とたたえた。(奥出和彦) 【写真=倉庫・整備工場が立ち並ぶ静岡市物流団地】