千葉市・楽天など/実証実験LTE活用ドローン宅配 海上遠隔飛行に成功
行政
2016/11/28 0:00
千葉市、楽天、自律制御システム研究所(野波健蔵社長、千葉市美浜区)、NTTドコモは22日、ドローン(小型無人機)宅配の実証実験を稲毛区で実施し、携帯電話の高速通信サービス「LTE」網を使用した海上飛行を成功させた。 実験は、内閣府の東京圏国家戦略特別区域会議の下に設置した「千葉市ドローン宅配等分科会」の第2回会合と併せて実施した。 今回は、千葉市が計画する市川塩浜周辺の物流施設からドローンによる海上ルートでの長距離配送(10キロ)を見据え、稲毛海浜公園といなげの浜の海上など700メートルの距離で行った。 自律制御研究所と楽天が共同開発し、楽天が4月に開始したドローン配送サービス「そら楽」を進化させたシステムを活用。NTTドコモのLTE電波を使用し、東京都世田谷区の楽天本社から遠隔で飛行指示した。 デモフライトは、いなげの浜と稲毛海浜公園でそれぞれ実施。1回目の実験は、いなげの浜から離陸し、海岸から3メートル離れた海岸線を直線飛行後、着陸の1往復のフライトに成功した。2回目は、千葉市の熊谷俊人市長がスマートフォン(スマホ)で実際に荷物を注文。荷物を積んだドローンが、市長に荷物(本1冊とモバイルバッテリー1個の計400グラム)を届けた後、無事に帰還した。また、楽天本社に設置した指令本部の様子をモニターで中継した。 実験の結果、スマホからの注文がドローン配送システムに正常に反映され、LTE網で安定的に遠隔制御できることを確認した。 千葉市と3社は、今後も宅配分科会の取り組みを通じ、都市部でのドローン配送の実用化を目指していく。(田中信也) 【写真=海上ルートでの長距離配送を見据え、稲毛海浜公園など700メートルの距離で実施=千葉市提供】