ピーコック、DPF故障に独自対策 整備プラン事業者の負担解消
産業
2016/11/24 0:00
ピーコックエレメント製造(靎見信行社長、東京都品川区)が1年半の実証実験を経て考案した、DPF(黒煙除去フィルター)の強制燃焼やインジェクター周辺部の故障に対する効果的な対策が、新たな「整備プラン」として運送事業者から重宝されている。靎見俊介専務(38)は「DPFの目詰まりや故障は経費的に、また運行管理上、運送事業者の大きな負担となっており、当社の技術で解消を図りたい」と話している。 DPFにすすがたまると、走行不能になり長時間の強制燃焼による再生作業を強いられる。それでも詰まりが取れない場合は、高額な修理が必要で、そのようなケースが全国で頻発しているという。 同社の提案している故障対策は①吸気効率の向上②インジェクター保護③インジェクターの再生――などを複合的に実施。 エアクリーナーの目詰まりは吸気効率を低下させ、燃費は悪化。不完全燃焼で生じたすすは詰まりを促進するため、ライフ・吸気効率に優れた同社のスパイラルフィルターの使用を推奨している。 スパイラルフィルターは10万キロメートル保証。「ある運送事業者は、廃棄物の抑制や燃費効率の向上を実現するためスパイラルフィルターを採用し、エアフィルターの交換を6万キロメートルから10万キロメートルに延長することに成功した」 「インジェクター保護としては、近年の燃料フィルターは非常に精密だが、多くの社外品は基準の3倍以上の大きさの粗ゴミをインジェクターに通過させてしまう。純正部品と同社製品を推奨することで、インジェクター故障を防止するとともに燃焼効率をキープし、DPFの詰まりを引き起こす、すすの排出を抑える」 インジェクター再生では、運送事業者の協力を得て行った1年半にわたる実証実験の中で、最適なクリーナーを特定。回復効果が著しく、高額修理が激減するクリーナーと同社のフィルターの組み合わせで、インジェクションシステムの劣化とEGRシステムの詰まりも防止し、排ガス規制装置にまつわる故障を回避・回復させる。 「DPF周辺の故障や強制燃焼は非常に深刻。運行管理上の支障だけでも致命的な上に、数十万円からの高額修理が頻発しているのに誰も解決策が分からず、泣く泣く修理代金を払っているのが現状だ。対策レポートは公開・配布している。特に中小運送事業者の役に立てればうれしい」(高橋朋宏) 【写真=特に中小運送事業者の役に立てればうれしい」と靎見専務】