物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

気象協会道支社/吹雪災害シンポ、冬季の安全と物流を守る

産業

2016/11/24 0:00

 日本気象協会北海道支社(守屋岳支社長)の「北海道の吹雪災害とこれからの物流を考える」をテーマとするシンポジウムが15日開かれ、トラック事業者らが参加した。  守屋支社長が「北海道は今夏、相次ぐ台風に見舞われ大きな被害を被った。近年は『異常気象』という言葉通り、過去に例を見ないような自然災害が起きているのが特徴。昨年2月から3月には、頻繁な低気圧襲来で通行止めが続き、物流と市民生活に大きな影響が出た。本日のシンポジウムが冬季の安全と物流を守る一助になれば幸い」とあいさつ。  「北海道の吹雪災害が抱える道路交通の課題」をテーマに講演した北海道大学大学院の萩原亨教授は、「防雪柵などの施設整備だけでなく、ソフト対策(関係機関の連携の高度化、情報の伝え方の工夫、住民との協働強化など)でも減災に大きな効果を与える」と語った。  パネルディスカッションでは、北海道物流開発の斉藤博之会長、セイコーフレッシュフーズの堤豪気常務、北海道開発局の中島州一道路防災対策官、気象協会北海道支社の川村文芳気象予報士をパネリストに迎え、萩原氏がコーディネーターを務めた。  斉藤氏は、吹雪などで待機を余儀なくされた場合、ドライバーの安全を守るグッズとして「非常用持ち出し袋」を全車両に備えていることを紹介。①通行止め解除の予定時間が1時間前に分かれば、運行計画変更などの対応ができ、大変助かる②トラックから降りて待機しなければ、吹雪であってもドライバーの拘束時間にカウントされる――など業界の当面する課題について述べた。  堤氏が「道内1080店舗への配送計画では、1カ所通行止めになれば全て狂う。リアルタイムの道路情報が欲しい」と述べた。  また、参加したトラック事業者から「国道337号は吹雪になることが多い。ホワイトアウトに遭遇したら待機場所が無く、どう対応すればいいか困っている」との悩みも出された。(那須野ゆみ) 【写真=国道337号などで吹雪になることが多い(気象協会提供)】





Share via
Copy link
Powered by Social Snap