宮崎ジャパンエキス、巨大地震の津波被害想定 避難シェルター設置
物流企業
2016/11/24 0:00
【宮崎】ジャパンホールディングス(古賀正三社長、福岡県宇美町)グループの宮崎ジャパンエキスプレス(高木晴輝社長、宮崎市)は11日、本社敷地に南海トラフ巨大地震の津波被害を想定した避難シェルターを設置した。津波や高潮の襲来時、内部に乗り込み、水面に浮かんで安全を確保する。1基当たりの投資額は380万円。(上田慎二)宮崎市の海岸付近は、県が想定するマグニチュード9.1の南海トラフ巨大地震が発生した場合、高で高さ16メートルの津波が短16分で到達すると予測されている。宮崎ジャパンエキスは津波による浸水の想定域外にあるが、付近に高台や高層ビルが少ないため、万が一に備え導入した。 繊維強化プラスチック(FRP)製のシェルターは、乗用車1台分の大きさで、浸水しても浮力を失わない不沈構造だ。激しい衝突、水面落下に耐え、転覆の復元力が強い。室内には4点式シートベルトと大型ヘッドレストをセットにした8人分の座席を完備している。 短時間での津波到達に対応するため、本社の玄関付近に設置。大型ドアの採用で高齢者や障がい者が容易に乗り込むことができる。シート下の収納庫には、水、食糧、防寒具を備蓄。天井部分に太陽光発電装置を取り付け、照明や携帯電話の充電に利用できる。 今後は津波避難訓練を行うとともに、大型津波避難シェルターの増設を計画。近隣住民の避難施設として、地域住民の利用を想定している。グループの危機管理体制を統括するジャパンホールディングスの古賀社長は「想像を超えた自然災害が多発している。宮崎市の海岸付近は津波避難に適した場所が遠いため、安全、迅速に避難できる方法が課題だった。シェルターは『命の箱船』。苦楽を共にし、経営を支えている貴重な人財を守るため、万全の体制を整えたい」と力を込める。 【写真=シェルターの前に立つ古賀正三社長(右から2番目)ら】