ヤマト運輸、新型トレーラ導入 年度内 積載量増 輸送効率化
物流企業
2016/11/14 0:00
ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)は2016年度内に、連結全長が従来より長いバン型トレーラの運行を始める。全長17.5メートルのセミトレーラ(従来は16.5メートル)と、21.0メートルのフルトレーラ(18.7メートル)を計4台導入。フルトレーラでは積載量が23%増える。大型物流拠点の厚木ゲートウェイ(GW、神奈川県愛川町)と中部GW(愛知県豊田市)を結ぶ幹線輸送の効率化を目指す。 8日、見学会を開き、トレーラを公開した。新型車は、いすゞ自動車と日本フルハーフ(上野晃嗣社長、東京都港区)との共同開発。連結全長が17メートルになるセミトレーラと、21メートルのドライバン型のフルトレーラの導入は日本初という。 従来のセミトレーラはロールボックスパレットを24台積めるが、新型車は26台載せられ、これにより積載量が8%増える。フルトレーラは26台積みから32台積みになる。 それぞれのトレーラは厚木GW、中部GWに各1台ずつ配備。まずは1日2往復を想定し、17年3月までに運行を始める。導入の効果を検証した上で、両GWでの増車や、17年にも稼働する関西GW(大阪府茨木市)での導入を検討する。増車の場合、自社での保有に加え、グループ会社や協力会社にも働き掛ける。 当日便配送などのサービス向上を目指す上で、GW間の多頻度輸送を実現する必要があると判断。8日の見学会で、ヤマト運輸の福田靖・ネットワーク戦略部長は「リレー方式で輸送する仕組みをつくることで、ドライバーが毎日、家に帰れるようになる」と、労働環境の改善効果を強調した。 また、いすゞ自動車販売(成松幸男社長、東京都品川区)の古田貴信会長が「ドライバー不足や環境対策の一助になる」と指摘。日本フルハーフの柳井深取締役営業本部長は「輸送効率化に貢献できればうれしい」と話した。(土屋太朗) 【写真=新型のフルトレーラはロールボックスパレットを32台積載】