博多駅付近/道路陥没、運送事業者に影響 佐川急便サービスセンター休業
物流企業
2016/11/14 0:00
8日早朝、福岡市博多区のJR博多駅前の市道が陥没する事故が発生した。周辺は通行止めや立ち入り禁止となり、沿道の企業は、停電で臨時休業を余儀なくされた。集配を担う運送事業者にも影響が及んだ。 陥没した道路の地下は、福岡市営地下鉄延伸の工事中で、掘削作業による岩盤崩落が事故の原因。現場はJR博多駅から西に200メートルで、沿道のオフィス街には銀行や保険会社、ホテルが立ち並び、多くの集配車両が業務を行っている。 陥没は8日午前5時ごろ発生。穴は30メートル四方、深さ15メートルまで広がった。8日午前9時時点で、警察は市道400メートルを通行止めにした。ガス漏れも発生し、周囲5万6千平方メートルが立ち入り禁止となった。 福岡市は、2次被害を防ぐため、8日午前9時45分、現場付近の建物に避難勧告を発令。沿道の多くの企業が避難や停電で臨時休業を迫られ、運送事業者は集配できない状況に陥った。 ヤマト運輸九州支社(福岡市東区)によると「立ち入り禁止区域や避難勧告が出されたビルでの集配業務を取りやめ、付近のセンターに留め置きした」と説明。 博多駅はエレベーターやエスカレーターが停電で使用できなくなり、駅前のバスターミナルも全館停電でテナントが臨時休業した。佐川急便福岡営業所(福岡市東区)は8日、博多駅内のサービスセンター1カ所を休業せざるを得ず、バスセンター内の集配業務ができなかった。 両社とも9日から徐々に集配業務を再開している。陥没した市道の地下には、送配電線や光ケーブル、電話回線などのライフラインが集中。このため、現場から3キロ離れた福岡空港の施設でも停電が起きた。これにより、福山通運福岡支店(福岡市博多区)が管轄する福岡空港付近の事務所などで、一時的に業務に支障が出た。 陥没現場付近では、現在(10日時点)も一部のビルで避難態勢が続いており、運送事業者も立ち入ることができない。また、福岡市中心部を走る目抜き通りの通行止めにより、周辺道路で渋滞が発生している。(上田慎二) 【写真=陥没現場では復旧作業が続く(9日)】