愛知ト協、研修センター完成祝う 交通安全対策の要
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2016/11/07 0:00
愛知県トラック協会(小幡鋹伸会長)が改修を進めていた中部トラック総合研修センター(みよし市)の完成記念式典が1日開かれ、行政機関、業界の関係者が全国から駆け付けた。構想から5年、立て替え開始から2年半をかけた改修が、ついに完了した。(梅本誠治) 8万3千平方メートルの敷地に管理研修棟と実技研修棟、フォークリフトコース、屋内実技練習場の建物、運転練習コースを設置。シングルルーム26室の宿泊棟も整備された。適性診断室には運転適性診断機器20台、運転シミュレーター2台を配備している。 また、緊急時に1週間稼働が可能な30キロリットルの軽油スタンド、8キロワットの自家発電を備えており、コース内の多目的広場は緊急時のヘリポートとして利用できる。環境面にも配慮し、地下雨水タンクや全館LED(発光ダイオード)照明。太陽光発電を設けた。 式典には、愛知県の大村秀章知事、国土交通省の田端浩国土交通審議官や藤井直樹自動車局長に加え、中部運輸局、愛知労働局、地元自治体の関係者らが参列。トラック業界からは、全日本トラック協会の星野良三会長をはじめ、中部圏の各県代表者が駆け付けた。 小幡会長が「改修は、先人が全国に先駆けて造った高速道路から至近の施設と、運輸事業振興助成交付金、2500社の会員、8万5千人のドライバーによる『天地人』の支えのお陰で成就できた。20年前に思い描いた安全に向けた研修に加え、今後は『少子高齢化を見据えて健康で生き生きと長く働ける業界にする』との願いを込め、日本一の研修施設を目指したい」とあいさつ。 愛知県出身の田端氏が「日本の中心にこのような施設が完成したことを祝いたい。トラック産業は、我々の生活を支える一方、大きな事故を起こせば社会的責任を問われる。国交省でも、物流生産性革命を推進してドライバーの労働環境改善に努めており、当センターの果たす役割は非常に大きい」と期待を寄せた。 大村氏は「産業・経済が県の人口規模以上の生産能力を持つ愛知に、全国へと門戸を開くセンターができ、活躍を期待している。屋内実技練習場は災害時等の物流拠点として県と協定を結んだ。自動車産業からロケット産業へと拡大する物流環境を、小幡会長のリーダーシップで支えて欲しい」と話した。 星野氏も「当センターには開設以来、ドライバー向けの研修や人材育成の物流大学校講座で、先導的な役割を担ってもらった。今後も業界の中心的な施設、交通安全対策の要として、役割を果たしていくことを強く願っている」と激励した。 披露パーティーでは、中京大学の北川薫学事顧問が、この日のために準備を進めていたトラック業界のための創作体操を披露。大学生、職員が壇上に上がり、小幡氏や来賓と共に「みんな一緒に元気いっぱい体操」を踊った。 このほか、始業時に行う「身体を目覚めさせる始まりの体操」、ドライバーが車内やトラックの車体を活用してできる「しなやかで強い身体を保つトラックドライバーズ体操」と併せ、業界全体への普及を目指していきたい考え。 式典後は、10月27日に後の施設として屋内実技研修場が竣工したことを受けて寄贈された絵画やモニュメント、施設を見学するとともに、トラックの試乗体験などを行った。 【写真=構想から5年、立て替え開始から2年半をかけた改修が完了】