仙台港サイロ、定温倉庫が営業開始 飼料用米 輸入穀物の保管も
物流企業
2016/10/31 0:00
仙台港サイロ(西方正博社長、仙台市宮城野区)が建設を進めていた飼料用米の定温倉庫が完成した。24日に落成式を開き、26日から営業を開始した。(富田久男) トウモロコシや大麦、小麦などの輸入穀物の保管サービスをメインに展開しているが、政府の飼料用米の増産施策に合わせて取扱量が増加。既存のサイロ型倉庫では足りなくなり、賃貸倉庫を活用する場合もあった。今後も飼料用米の保管需要が大きくなることが見込まれることから、作業の効率化とコスト削減のため、本社敷地内に新たに平屋建ての定温倉庫2棟を建設した。 サイロ型以外の倉庫建設は初めて。定温1号倉庫は植物防疫所指定のくん蒸機能を持ち、床面積は880平方メートル。2号倉庫は730平方メートル。1号と2号倉庫の間を屋根で覆い、荷さばき用下屋倉庫(530平方メートル)も設けた。両サイドには電動シャッター(オーバースライダー)を設け、風雨や降雪時でも荷役作業を容易にできる全天候型にした。 同倉庫の最大容量は3800トンで、南東北3県で生産される飼料用米を中心に取り扱う。また、季節によって取扱量の変動も大きいことから、輸入穀物の保管にも活用。くん蒸処理ととともに、フレコンバッグなどで一時保管して食料の安定供給を図る。 西方社長は「輸入穀物や一般貨物の保管需要にも応えていきたい。従来の倉庫(保管能力6万4千トン)と併せ、隣接する飼料工場への安定供給に努めたい」と話している。 【写真=本社敷地内に建設した飼料用米の定温倉庫】