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岸貝物流、一貫して重量物輸送 若年層採用 特に注力

物流企業

2016/10/17 0:00

 【京都】岸貝物流(平島竜二社長、京都府宇治田原町)は設立以来、一貫して重量物輸送をメインに据え、業容を拡大している。10月末には千葉県印西市で千葉営業所がオープンする予定で、将来的には中部圏にも拠点を設け、関東―中部―関西を結ぶ鉄鋼輸送のネットワークを構築。これにより、その日のうちに帰れる中距離輸送体制を整え、ドライバーの長時間労働を抑制したい考えだ。平島社長(49)は「鉄鋼輸送なら岸貝物流と呼ばれるような会社を目指す」と強調する。(落合涼二)  1998年11月に大阪府岸和田市で事業を開始。99年1月、京都に営業所を構え、公共事業を積極的に取り込み、順調に売り上げを伸ばしてきた。2008年4月には、京都本社が完成。その後、大阪市西淀川区に大阪支店、兵庫県播磨町にも東播営業所を設け、現在、3営業所体制となっている。  取引先は関東本社の会社が多く、関東進出の機会を探っていたところ、荷主企業から拠点開設の要請があった。営業基盤も整っており、別の荷主企業の工場にもアクセスが良いことから、足掛かりとなる営業所を千葉県印西市に開設。  当面、トラクタ2台、ポールトレーラ1台、セミトレーラ1台、増トンの平ボディー車及びユニック車、8トン平ボディー車、4トンユニック車をそれぞれ1台、計8台配置する。  「千葉営業所では、1年で2億円の売り上げ目標を立てている。17年4月には東京オリンピック関連の事業が本格的に動き出すと思われ、20年までは関西に比べ荷動きも見込まれており、それまでにはトレーラを中心に20台まで増車したい」  06年12月に安全性優良事業所認定(Gマーク)、07年10月にはグリーン経営認証を取得し、安全と環境対策にも力を入れる。16年7月からはレボインターナショナル(越川哲也社長、京都市伏見区)が製造・販売する軽油95%にバイオディーゼル5%を混ぜた「CF-5」と呼ばれる混合油も導入した。  「コスト削減は大事だが、地球環境保全に取り組む姿勢が企業に求められている。特に、運送業界は公道を使って事業を営む以上、地域社会との共生は必要不可欠。地球環境に優しい企業をアピールしていく」  また、ドライバーの高齢化を見越し、若年層の採用には特に力を注ぐ。現在、大学生の息子(21)がアルバイト勤務する一方、大学生が運送会社に就職するかどうか、友人への調査を依頼。その意見を基に、働きたいと思われる環境整備に役立てる方針だ。  鉄鋼輸送はドライバーのスキルも重要になるため、入社後は大型自動車免許を取得していても、全員4トン車乗務からスタート。トレーラ、ポールトレーラと段階を経ながら育成。未経験者でも積極的に採用しており、「鉄工所勤務者やペンキ屋など、前職はいろいろ。ポールトレーラのドライバーとして活躍するには少なくても10年必要。千葉営業所には社宅を用意する計画で、一からドライバーを育てていく」。  人事評価制度も車の美化、車内美化、協力性など大きく5項目に分けたチェック項目について、自分自身を評価する仕組みを取り入れている。それに、安全委員が評価を加え、毎月の給与が決定。セルフ評価と客観的評価のバランスを取りながら、ドライバーの満足度を高めている。  鉄鋼関連の輸送は、工事現場に資材料を搬入するケースが少なくなく、帰り荷確保による実車率アップという課題を抱えていた。東播営業所を設けた際、過去2、3年分の配車先を月単位でマッピング。兵庫県への輸送が多いことに着目し、1年も経たずに黒字化した。  中部への拠点展開もその一環で、関東―中部―関西を結べば、それぞれの拠点間で荷物の受け渡しが可能になり、その日のうちに帰れる中距離輸送のネットワークが整う。それにより長時間労働の抑制をはじめ、コンプライアンス(法令順守)面の強化を狙う。  「5拠点の営業所間でトラックを回転させることができれば、トラックの稼働率が高まり、1台当たりの売り上げも確保できる。これからも、企業イメージやドライバーの品質向上に努めたい」 【写真=企業イメージやドライバーの品質向上に努め】





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