村山運輸、福山センター順調 質&サービスを最重視
物流企業
2016/10/17 0:00
【東京】村山運輸(村山浩一社長、東京都新宿区)が初めて西日本に拠点展開した福山物流センター(広島県福山市)は、順調に売り上げを伸ばしている。福山物流センターは、既存顧客の商品を西日本で翌日配送するために整備したが、同社が強みを持つ美容関係からオファーが相次ぎ、10日には新規2件目をスタートさせた。(高橋朋宏) 同社は、顧客の7割近くを美容関係のメーカーや問屋が占め、取引先は40社程度。売り上げに占める割合は、最も大きな取引先でも2割ほど。売り上げはここ5年で5億円増えて、2016年8月期は17億円となっている。 福山物流センターは、秦野物流センター(神奈川県秦野市)と東松山物流センター(埼玉県東松山市)から全国に配送していた大手美容問屋の商品を西日本でも翌日配送するため、14年10月に開設した。 西日本に進出したもう一つの理由は事業継続計画(BCP)。村山社長は「東日本大震災からBCPについて検討してきた。荷主に提案し、様々考慮した結果、福山に決めた」と説明する 同社が得意とするのは、商品が届いた際の検品、棚への補充、ピッキング、出荷の際の検品、梱包、荷札の発行、出荷という一連のサイクル。サードパーティー・ロジスティクス(3PL)で収益を上げている。 村山氏が社長に就任した08年から化粧品及び医薬部外品の製造免許を取得するなど倉庫事業を加速させ、現在売り上げに占める割合は7割強となっている。 福山物流センターで新規に受けたのは15年5月の美容問屋の四国向け発送が最初。2件目は10日にスタートした。また、関東での業容拡大に伴い、八王子物流センター(東京都八王子市)の近隣で拠点を新たに整備する予定だ。 大手物流事業者に委託したが回らず、口コミで聞いて同社に依頼する荷主も少なくなく、村山氏は「当社は売り上げではなく、質を最重視している。高いレベルでサービスを提供できないのなら仕事は受けない。また、細かなところまで目が届くのが中小事業者の良いところ。当社が選ばれる理由の一つだと思う」と分析している。 【写真=高い付加価値を強みに売り上げを伸ばす福山物流センター】