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一番運輸、東九州で勝ち残り目指す 地元志向の若者確保

物流企業

2016/10/13 0:00

 【大分】一番運輸(藤田憲靖社長、大分市)は、福岡、大分、宮崎をつなぐ東九州エリアで事業展開し、オンリーワン企業として勝ち残りを目指す。物流、人流が活発な九州自動車道沿線は、物流企業の競争も厳しい。この過当競争エリアを避け、運行にゆとりを持たせることで、コンプライアンス(法令順守)を強化。地元志向の若者をターゲットに人手確保を進めたい考えだ。(上田慎二)  大型ウィング車や平ボディー車、ユニック車、小型配送車など110台を保有。長距離輸送から区域配送までを手掛け、食品、家具、精密機械、建設資材、引っ越しなど多様な貨物を扱う。  取引先は機械メーカー、コンビニエンスストア、スーパーなど100社を超える。1社当たりの売り上げを全体の1割以内に抑え、収益源の平準化・分散で経営の足腰を強める。2015年9月期の売上高は10億7千万円を計上。16年9月期は11億2千万円を見込む。  福岡─宮崎の拠点を整備。15年に延岡営業所(延岡市)と西大分営業所(大分市)、14年には福岡営業所(福岡市東区)を稼働させた。延岡営業所は、一般貨物と長距離輸送を行い、宮崎県延岡市や大分県佐伯市など、少子高齢化が急速に進んでいる過疎地の物流を地域密着で支援している。大分都市部の配送拠点である西大分営業所は家具輸送がメインだ。  福岡営業所は、既存の宮若営業所(宮若市)の業容拡大を補完。敷地内には、オープンカー専門のレンタカー会社「レンタルオープンカーウインディ」(藤田社長、福岡市博多区)も併設。訪日外国人客の需要を取り込み、収益を支える。  東九州重視の方針には、高速道路網の整備やフェリー航路の拡充が背景にある。藤田社長(47)は「東九州道の全線開通で、大分市から延岡市まで3時間半で輸送でき、人的交流も増えた。大分、宮崎の両県とも全国有数の農産地。大消費地に運ぶ長距離輸送も重要」とみる。  若年労働力の確保・育成は重要課題だ。「地元で結婚、子育てし、友達、家族とのつながりを大事にしたい、と考える若者は少なくない。そうした若者がやりがいを感じ、長く働ける職場環境が大事」と話す。  大都市に比べ、渋滞、手待ちの頻度が低い地方都市の輸送業務に特化することで、長時間労働の抑制に努める。長距離輸送は全車両がフェリーを利用。福岡、大分、宮崎の各県から、関西、関東向けの便に乗船し、ドライバーの負担を軽減する。  長時間労働や取引環境の改善に向け、取引の見直しも進めている。長年、取り組んできた地元スーパー向けの共同配送事業から、15年に完全撤退した。地方では、大手のコンビニ、量販店、全国展開のドラッグストアが力を増し、地元スーパーはいずれも苦戦を強いられ、共配の輸送量が激減し、輸送環境は厳しかった。  藤田氏は「運送事業者は自社では何も商品を持たないサービス業。適正運賃、安全を確保できなければ事業は継続できない。九州の地方は、いずれも消費地であり、上り荷が少ない片荷輸送が宿命。少子化の進展で輸送量も減少していくだろう。限られたチャンスを生かし、安全・安心なサービスで厳しい経営環境を乗り切っていきたい」 【写真=15年、大分都市部の配送拠点として開設した西大分営業所】





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