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柴又運輸、生の状態で細胞輸送 専用車両運行 凍結より安価

物流企業

2016/10/13 0:00

 柴又運輸(鈴木正博社長、東京都江戸川区)は1日、細胞輸送サービス「LiveCellTransService(ライブセルトランスサービス)」の提供を開始した。バイオテクノロジー企業のリプロセルと締結した業務提携に基づき、細胞輸送専用車両「シバックスメディカルライン(SML)」を運行。再生医療物流事業の本格展開に向けて更に弾みを付ける。(沢田顕嗣)  解凍・播種(はしゅ)した細胞を培養した状態のままで届ける共同事業に、本格的に踏み出す。細胞を生の状態で輸送することにより、凍結細胞輸送に比べトータルコストを削減。生輸送はコストのみを切り出すと高くなるが、凍結や解凍、再培養などに要する経費を加味したトータルコストは凍結輸送より安価になる。トータル時間で比較しても同様で、生輸送が凍結輸送を大きくリードする。  SMLは「実験室環境そのままの空間移動」をコンセプトに設定。厳格な温度管理を可能にするインキュベーター、防振装置、誤配送防止システム、セキュリティーシステムなどを活用し、専門教育を受けたドライバーが生細胞を定時に届ける。  柴又運輸は2012年に再生医療物流プロジェクトを始動し、たんぱく質結晶やiPS細胞(人工多能性幹細胞)を製薬会社などに輸送するサービスをスタートさせた。生のたんぱく質結晶、生の医薬低分子、生と凍結のiPS細胞の輸送業務は9月末現在で計49件を受託。輸送の失敗が皆無に等しい100%の成功率を誇っているという。最終的には再生医療に携わる病院、製薬会社、研究所などをつなぐ域内輸配送の実施を目標に掲げる。リプロセルとの連携もビジョンの実現に向けた取り組みの一環と位置付ける。今後は細胞の種類に応じた適な輸配送方法の確立を推進していくほか、将来的にはSMLを関東と関西に10台ずつ配備したい考えだ。  一方、リプロセルは03年に設立されたバイオテクノロジーのベンチャーで、ヒトiPS細胞に由来する心筋細胞、神経細胞、肝臓細胞の製造などで知られる。iPS細胞ビジネスの先駆者を自任しており、50年に53兆円まで拡大すると試算される再生医療市場において、世界ナンバーワン企業を目指していく。  鈴木社長は「細胞は凍結するとダメージが大きく、元気な生細胞が求められている。しかし、生輸送は品質管理が難しいなどの理由により、凍結輸送が99%を占めているのが現状。ハンドキャリーはコスト面などがネックとなるため、車両を使った生輸送のニーズは潜在的に大きい。目指すところは病院向けのラストワンマイル。18、19年には再生医療物流を会社の屋台骨を支える事業の柱の一つに育てたい」と意気込む。 【写真=リプロセルの横山周史社長と握手する鈴木社長(左)】





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