ヤマト運輸・産交バス、熊本県南で客貨混載 走行距離60キロ削減
物流企業
2016/10/10 0:00
ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)は3日、熊本県南で九州産業交通ホールディングス傘下の産交バス(岩崎司晃社長、熊本市西区)と「客貨混載」サービスをスタートさせた。九州では、2015年10月の宮崎交通(菊池克頼社長、宮崎市)との客貨混載サービスに続く2例目となる。 過疎化や高齢化が進む熊本県南の中山間地域、人吉市と五木村(相良村経由)を結ぶバス路線網の維持と、物流効率化による地域住民の生活サービスの向上が目的。 県内最大手の産交バスは、路線バスの空きスペースを活用して宅急便を運び、新たな収入源を確保。ヤマト運輸では、人吉市と五木村を現行の3往復から2往復に減らし、トラックの走行距離を60キロ削減、二酸化炭素(CO2)排出量の低減に努める。 路線バスの運行形態は、①五木村と相良村で集荷した宅急便を積み込んだ五木村発人吉市行きの便=1日2便②人吉市発五木村、相良村行きの配達便=1日1便――。五木村と相良村を担当するヤマト運輸のセールスドライバーの滞在時間を増やし、柔軟なサービスを提供していく。 「くらしハコぶバス」と銘打ったラッピングバス2台を導入。中央部に荷台スペースを確保し、バスと集配車のボディーには県の営業部長兼しあわせ部長の「くまモン」や、五木の子守娘「いつきちゃん」など、沿線自治体のゆるキャラをデザインした。 産交バス人吉営業所(人吉市)で3日開かれた出発式には、熊本運輸支局の本田和久支局長、県企画振興部の福島誠治交通政策・情報局長、人吉市の松岡隼人市長、五木村の和田拓也村長ら自治体の首長らが出席。地元の幼稚園児が見守る中、テープカットで客貨混載の開始を祝った。(武原顕) 【写真=園児が見守る中、テープカットで出発を祝う】