取引労働改善静岡協、実証実験に2集団選定 フィルム&冷蔵食品
団体
2016/09/12 0:00
【静岡】トラック輸送における取引環境・労働時間改善静岡県地方協議会(丹下博文座長、愛知学院大学大学院教授)は8月26日、会合を開き、パイロット事業の対象として2集団の選定を報告したほか、KPI(重要業績評価指標)導入調査事業の実施を決定した。 遠州トラック(実運送事業者)と発荷主、元請事業者、下請運送事業者の4者で、食品包装用フィルムの運送を実施する集団を構成した。8月16日に第1回検討会が行われ、既に事業は始まっている。 もう一方の対象集団、食品の冷凍・冷蔵運送については、まるよ運送(横田和明社長、吉田町)と発荷主の2者を対象とした。受託事業者の選定及び契約後に、事業を開始する。 遠州トラックとまるよ運送は3月開始した公募に応募。事務局は荷主事業者に事業概要を説明に出向くなど、調整を重ねていた。一方、KPI導入調査事業は、2015年12月に国土交通省自動車局貨物課長名で出された事務連絡に基づき、独自の取り組みとして実施。定量的なデータを用いて業務を遂行する手法で、トラック運送事業では実車率や積載率を運行効率の管理に取り入れる例がある。 事業内容としては、コストと生産性、品質・サービスレベル、物流・配送条件といった各種指標を数値化。調査対象事業者、コンサルタント、トラック協会からなるワーキンググループが課題を整理し、検討を重ねながら改善指導する。効果を検証後、結果を取りまとめて協議会に報告する。 実施期間は9月から17年3月までで、調査対象を静岡県トラック協会会員から4事業者公募。予算に250万円を充てる。 KPI導入調査事業の実施は、出席委員全員が賛同して議決。また、17年度のパイロット事業候補事業者の公募についても、早期にスタートさせることで合意した。(奥出和彦) 【写真=KPI導入調査事業の実施を決定】