静ト協、タカキューで乗車体験 就職時「選択肢に」
団体
2016/09/08 0:00
【静岡】静岡県トラック協会(大須賀正孝会長)は8月24日、高校生が会員事業者の職場を見学し、業務を体験する「物流の仕事、施設見学会」を開いた。富士市や富士宮市をはじめ、県中部地区の高校に通う1~3年生15人が、タカキュー(佐野寛社長、富士市)を訪問。物流施設や配車現場を見学したほか、トラックの乗車も体験し、物流業務を学んだ。 佐野智彦専務が「物流の仕事はピンとこないと思うが、座学や施設見学を準備しているので、今後の就職活動に生かして欲しい」とあいさつ。 県地域振興課の古屋政勝参事は「物流は大変大事な仕事だが、なかなか就職してもらえない業界になっていて、人手不足。興味を持ってもらい、就職する時の選択肢に入れてもらえれば」と呼び掛けた。 午前中は本社内で、物流の仕組みや同社の業務全般を学習。 佐野氏は会社の歴史や成り立ちを説明しながら、「単に運ぶという仕事から、当社もサードパーティー・ロジスティクス(3PL)主体に業務が進化してきた。物を運ぶことの重要性は、昔と変わりない。物は誰かが運ばないと、皆さんの手元に届かない。便利な生活の影には、常に物流の存在があることを覚えてもらいたい」と話した。 本社敷地内の冷凍冷蔵定温の3温度帯倉庫を、2グループに分かれて見学。コンビニエンスストア向け物流センターでは、サンドイッチの仕分けとピッキング作業を体験した。 また、2トンと4トン及び大型冷蔵車の運転席と荷台に乗車。それぞれの違いを比較しながら、荷台の保冷の仕組みや、運転席のドライブレコーダー、デジタルタコグラフといったドライバーを守る様々な装備を確認した。 配車センターでは、トラックの動態管理システムを学ぶとともに、ドライバーの運行前点呼を経験。アルコールチェックを行い、安全性向上への取り組みを体感した。 更に、配車センター見学班とトラック乗車班の双方でやり取りし、無線による状況報告も試した。 見学会には、地元テレビ局の報道班も複数取材に訪れ、人手不足打開を模索するトラック運送業界を取り上げた。参加高校生は「物流の仕事が重要だということを学び、印象が変わった」「物流にもいろいろな仕事があることが分かり、勉強になった」と感想を述べた。(奥出和彦) 【写真=乗車体験をした大型車の前で記念撮影】