フジタ物流、長距離メインで差別化 人材確保難が「ネック」
物流企業
2016/09/05 0:00
【京都】フジタ物流(藤田久義社長京都府八幡市)は、大型トラックによる長距離輸送をメインに事業を展開する計画だ。設立10周年を迎える2018年までに、車両台数を現在の17台から20台まで引き上げる考えで、当面の目標としては25台を掲げる。藤田社長は「ドライバーがなかなか集まらないのがネック。長距離が敬遠される中、あえて長距離に焦点を絞った経営で、差別化を図っていきたい」と話す。 求人誌を活用してドライバーを募集しているものの、なかなか良い人材に巡り会わず、縁故採用の方が多くなる。ドライバーの平均年齢は40歳台前半で、28歳から50歳までの人材が活躍する。定着率を上げるとともに、モチベーションを高めるため、15年7月期からは決算賞与の支給も始めた。16年7月期は軽油価格が値下がりした分、利益がアップしたのに加え、同業者間取引の拡大が奏功し、売り上げも倍増した。 藤田氏は「長距離主体のため、トラックの痛みも激しくなる。安全面を考慮し、5年で代替している。また、できるだけ気持ち良く働いてもらうため、頑張っているドライバーには新車を任せている。バーベキュー大会に加え、年末にはお節料理を配り、福利厚生面の充実につなげたい」と語る。 15年7月期には、全車にデジタルタコグラフとドライブレコーダーを完備。デジタコ連動型のアルコールチェッカーも導入し、安全及び環境対策を強化した。もともと事故は少なかったが、機器を取り付けたところ件数が半減。燃費も15%以上改善した。今年7月には安全性優良事業所認定(Gマーク)も新規申請しており、更なる品質向上を目指す。 安全対策として、安全会議を半年に1回開催。始業前点検の手法については、社長自ら見本を見せ、アドバイスする。 「安全は永遠のテーマ。Gマーク申請もその一環。将来ビジョンとしては物流センター設置を描くが、保有台数25台を一つの目標に設定しており、行く行くは100台規模まで大きくしたい。そのためにも様々なことを学びながら、しっかり足元を固めていく」 08年に人材派遣会社として発足し、5年前、一般貨物自動車運送事業に参入。当初は2トン車と4トン車を5台そろえ、小口配送を中心に運営してきた。藤田氏が以前勤めていた会社の部下から長距離の仕事を紹介されたことを契機に、業態を変更。2年間で車両台数を15台まで増やすとともに、14年9月には京田辺市に京都営業所を開設。敷地面積1320平方メートルで、大型トラック20台分の駐車スペースを確保した。(落合涼二) 【写真=安全面を考慮し5年で代替。頑張っているドライバーには新車を任せる】