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台風10号、道東方面「物流」寸断 北見・旭川経由で迂回

物流企業

2016/09/05 0:00

 8月30日夜から31日にかけて北海道に接近した大型の台風10号の影響により、道内外を結ぶ物流の大動脈が断ち切られた。道央と道東を結ぶ物流の3ルート(国道38号、274号、道東自動車道)が一時はいずれも通行止めとなり、道東方面への物流網は完全に寸断。道東地区は「陸の孤島」となった。(大島杏奈、那須野ゆみ、田中信也、高橋朋宏)  物流の3ルートの中で、特に「大動脈」とされるのが日勝峠を経由する国道274号。このほぼ中間点に位置する北海道日高町では、町内の千呂露川に架かる橋が増水により崩壊した。また、274号が通行止めとなった場合に、迂回(うかい)路としてよく利用される国道38号は、土砂崩れにより富良野市幾寅から十勝管内新得町の区間が通行止めとなった。  更に、非常時の「頼みの綱」となる道東道も、土砂の流出で占冠-トマム、トマム-十勝清水、十勝清水-芽室の3区間が寸断。ただし、1日午前8時には復旧し、北海道開発局と東日本高速道路北海道支社(川添卓司支社長、札幌市厚別区)は同日、国道38号、274号の通行止めが解除されるまでの措置として、占冠インターチェンジ(IC)-音更帯広ICの通行無料化を発表した。  道東道が復旧するまで、道内の物流事業者は大きな迂回を余儀なくされた。乳製品などを運ぶ北海運輸(芽室町)の沢本一輝社長(39)は「生産された乳製品を止めておくことはできない。道東道が復旧するまでの緊急対策として、釧路北見、旭川市を経由して函館市まで運び、青函フェリーに乗せることにした。大きく迂回しなければならないが、ドライバーの労働時間に十分気を使いながら運ぶしかない」と困惑している。  このほかの事業者も、31日に朝から会議を開くなど、情報収集や対応に追われた。  札幌通運(片岸俊幸社長札幌市中央区)では「帯広向けのトレーラは30日から全て運行を取りやめた。釧路行きの便は30日に4台が札幌を出たが、うち2台は北見を迂回させ、残る2台は道東道の通行止めで占冠からUターンせざるを得なかった」(ロジネットジャパン経営企画課広報担当の岩田圭正氏)。  松岡満運輸(佐藤孝雄社長、白石区)の三谷久俊常務(49)は「関東から北海道向けの貨物は、コンテナで無人航送しているが、台風の予報が出た段階で全て『有人』に切り替え、車両を確保した。また、台風の影響が予想されたため、フェリーは八戸―苫小牧を諦め、青函フェリーを利用した。道東地区の4拠点(帯広、釧路、中標津、根室)向けは旭川、北見経由で配送した」と話す。  シズナイロゴス(伊藤功一郎社長、同)では「29日深夜に札幌を出発したトラックが帯広市内で、翌深夜に出たトラックは日高町で動けなくなり、待機してもらうことになった」(担当者)という。  更に、十勝地区トラック協会(沢本輝之会長)の管内では、会員事業者数社が倉庫などの浸水被害を受けているとの情報もあるが、避難勧告・命令が継続している地域もあり、31日時点で事実確認はできていない。  また、佐川急便(荒木秀夫社長、京都市南区)では河川の氾濫(はんらん)や道路への土砂流入などの影響により、1日時点で南富良野、清水、新得、芽室、広尾、大樹の各町と占冠村で集荷・配達が不能になっている。  一方、1日当たりの輸送力(片道)が5トンコンテナ換算で2045個にも上る函館線が、倒木による電線切断などで不通となっており、道内と本州を結ぶ鉄道が断たれている。石勝線、根室線石北線も寸断され、いずれも復旧のメドは立っていない。  8月31日未明には、JR根室線の新得駅構内と十勝清水駅付近で橋りょうが流され、線路が宙づりになるなどの被害が発生。このため、根室線を利用する日本貨物鉄道北海道支社(内山健支社長、札幌市中央区)は、8往復(1日当たりコンテナ大400~500個)運行している同区間の輸送を急きょ、トラックに切り替え、車両の確保に追われている。橋りょうの建設工事を伴うため、復旧までには数カ月かかる見通しだ。 【写真=沙流川に架かる千呂露橋(北海道日高町)が崩壊=北海道開発局室蘭開建部提供】





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