東和運送、整備内製化で安全運行 肉体的心理的ドライバーの負担軽減
物流企業
2016/08/29 0:00
【大阪】東和運送(小田原武社長、大阪市西区)では、整備の内製化で、効率的な車両のメンテナンスや安全運行の徹底を図るとともに、車両の有効活用やドライバーの負担軽減にもつなげている。 大型車による長距離運行が中心で、ほとんどの車両が年間20万キロ以上を走行。しかも、ジャスト・イン・タイムでの輸送を求められるため、大半が高速道路を利用する。大きな事故につながりかねない高速道路上での車両トラブルは、絶対に避けなければならない。 15年前、運行スケジュールへの整備の影響を最小限に抑え、急な点検や修理にも即応できるよう、グループの整備部門として平成自動車工業(松吉富美彦社長、大東市)を設立した。現在、大東市と枚方市に施設があり、民間車検工場の指定を取得。車検や定期点検、メンテナンス、急な修理に対応可能とすることで、車両の効率的な運用につなげると同時に、キメ細かな整備で安全レベルの向上に努めている。 大東工場は大型車対応の整備レーンを五つ備え、ホイールアラインメントをはじめ、ブレーキのテスター、板金・塗装のスペースも備える。整備士15人が交代で勤務し、年末年始以外は原則無休で稼働している。 小田原社長(72)は「経営環境が厳しくなり、昔のように予備車両を保有する余裕が無くなったので、どうしても夜間や休日に整備を行わなければならない。外注すると費用がかさむ上、臨機応変が難しい」と、内製化の意義を強調する。 近年、車両の性能が著しく向上し、信頼性も各段にアップした半面、構造は複雑化。整備の知識が豊富な職人肌のドライバーも減ったため、小さなトラブルが原因で運行中に立ち往生するリスクが増した。 特に、高速道路上で故障することは、他の車両だけでなく、自社のドライバーの命も危険にさらすことになる。車両の良好なコンディションと円滑な運行を確保することは、ドライバーの肉体的、心理的負担の軽減に役立つ。 グループの車両を一括管理することで車検・点検オイルやタイヤの交換といった作業に漏れが無いよう、各営業所の管理者と共に二重にチェックできる。時間のかかる修理が必要になった場合でも、工場との連携を密にすることで、運行に復帰できるまでのスケジュールが明確になる。 松吉社長(53)は「徹底した安全点検、入念な整備とサービスで、これからもグループの無事故を支えていく」と話している。(小菓史和) 【写真=徹底した安全点検、入念な整備とサービスで、グループの無事故を支え(大東工場)】