物流大手、インドネシアで基盤強化 大きなポテンシャル
物流企業
2016/08/22 0:00
物流大手がインドネシアで事業基盤強化の取り組みを加速させている。三井倉庫ホールディングスが第2の都市、東ジャワ州スラバヤで倉庫を新設するのに続き、三菱倉庫は近く、西ジャワ州ブカシで低温倉庫の建設に着手。2015年11月には、日本通運が西ジャワ州の工業団地内に新倉庫を開設、日立物流も16年6月から首都ジャカルタ近郊の工業団地内の物流センターを稼働させた。業界関係者は「インドネシアは今後、消費市場としても高成長が期待できる。大きなポテンシャルがある」といった見方で一致している。(高木明) 三菱倉庫の物流施設は、ジャカルタ特別州の東側に隣接するブカシの工業団地内に立地。敷地面積16万9800平方メートル、延べ床面積1万8千平方メートルの物流センターで、2017年7月からの稼働を目指す。施設内には調理場として利用できる設備を設け、小売りや食品関係企業などの利用を見込む。 同社では、14年に現地物流会社と合弁会社「ダイヤ-ジャワ・フォワーディングインドネシア」を設立し、輸出入の一貫物流サービスを開始。「新倉庫は国内2カ所目となる施設で、高速道路インターチェンジ(IC)にも近い。物流需要は旺盛であり、2期目の建設も検討していく」(広報室) 三井倉庫HDは、スラバヤに保管面積2万9500平方メートルの物流施設を10月までに完成させる。自動車部品、家電、日用品などの工場向け原材料保管や製品の市場向け配送センター機能を提供。14年10月にはジャカルタ近郊の工業団地内で運営していた既存倉庫の増築工事が終了しており、今回の物流施設が完成すると、同国内の総保管能力は4万6500平方メートルに拡張する見通しだ。 倉庫大手に限らず、総合大手のネットワーク拡充・強化に向けた動きは活発だ。日本通運では15年4月サードパーティー・ロジスティクス(3PL)事業を手掛ける新会社「NEXロジスティクスインドネシア」を設立するとともに、11月には西ジャワ州に延べ床面積1万4千平方メートルの物流センターを新設。日立物流もジャカルタ近郊に延べ床面積4万平方メートルのチカラン物流センターを開設し、今年6月から本稼働させている。 【写真=三菱倉庫はジャカルタ近郊に大型物流センターを建設】