甲西陸運、新本社事務所&物流センター建設工事急ピッチ 中部・関東 拠点整備乗り出す
物流企業
2016/08/18 0:00
【滋賀】甲西陸運(甲斐切稔社長、滋賀県湖南市)は年末をメドに、新たな本社事務所と物流センターを竣工させる。中長期ビジョンに基づいた拠点再整備の一環。今後、中部、関東の各エリアでも新たな施設の整備に乗り出す。(小菓史和) 2015年12月、特積会社が入居していた本社敷地内のトラックターミナルを、湖南物流センター(湖南市)内に新築・移転。跡地で現在、新たな本社事務所と物流センターの建設工事が急ピッチで進んでいる。 本社は鉄骨造り2階建て、延べ床面積1320平方メートルで、最新鋭のIT(情報技術)機器や省エネ設備を備える。現本社は1972年に竣工し、老朽化が進んでいた上、設計が古くコンピューターなど電子機器を多用した現在の事務処理システムに対応しにくいため、業務効率が悪くなっていた。 グループを挙げて推進している環境対策として、LED(発光ダイオード)照明といった省エネ設備を積極的に導入するとともに、非常用電源の確保といった災害時対策も強化する。 新センターは、鉄骨造り3階建て、延べ床面積1万750平方メートル。荷主のビルド・トゥ・スーツ型で、入庫作業を自動化。最新鋭の物流管理機能と、保管スペースを持つスルー型拠点として運用する。 一方、17年3月には、愛知県豊山町に豊山配送センター(仮称)を設置。延べ床面積7260平方メートルの倉庫を併設する予定で、名神高速道路・小牧インターチェンジに近い地の利を生かし、名古屋市中心部への共同配送拠点として運用する。業務効率アップとリードタイム短縮、ドライバーの労働時間や作業環境の改善につなげる。 また、関東地区でも、敷地面積3万3千平方メートル規模の新たなセンターを計画している。今後2年間、拠点整備に集中的な投資を行うことで、業務効率改善、及び従業員の労働時間や作業環境などコンプライアンス(法令順守)に配慮した職場づくりにつなげる考えだ。 松島真行専務は「中長距離輸送では、厳しさを増すドライバーの連続運転時間や労働時間に対する規制を踏まえた体制構築が求められている。時代に合わせた仕組みづくりと、次代をにらんだ拠点整備を積極的に進めていく」と話している。 【写真=年末をメドに竣工させる(完成予想図)】