取引労働改善大阪協、坂本氏が引き続き委員へ 実証実験スーパーへの配送対象
行政
2016/08/11 0:00
【大阪】トラック輸送における取引環境・労働時間改善大阪地方協議会(安部誠治座長、関西大学教授)は7月29日に開いた会合で、委員に大阪府トラック協会(辻卓史会長)の坂本克己名誉会長を選任することなどを決めた。(小菓史和) 大阪ト協からは、会長を退任した坂本氏に代わり辻会長が出席。中川才助、中原毅の両副会長もメンバーとなっている。 安部座長は「坂本氏は、トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会(野尻俊明座長、流通経済大学学長)のメンバーであり、トラック運送業の適正運賃・料金検討会(藤井聡座長、京都大学大学院教授)にもオブザーバーとして参加されている。この協議会でも引き続き委員として、力を貸してもらいたい」と提案し、全会一致で承認した。 パイロット事業は、食品メーカーから中小スーパーマーケットへの配送を対象に実施。発荷主企業として日本アクセス(佐々木淳一社長、東京都品川区)、元請け運送事業者にハップ(長田義光社長、岡山市東区)、実運送事業者には千流(千車康彦社長、大阪府摂津市)を選定した。 商品センターを持たない中小スーパーへのミルクラン輸送の改善に取り組む。発荷主、元請け、実運送、着荷主それぞれにアンケートやヒアリングを行い、行政から派遣されるアドバイザーと共に課題を抽出。実証実験を通じ、現在は40%程度とされる積載率や、ドライバーの労働時間の改善につなげる。 辻氏は「産業構造が変化し、運送会社は多品種少量、ジャスト・イン・タイムといったニーズへの対応を求められている。現場目線でどう改善すれば良いか、しっかり検証して欲しい。『できない』とは言わず、ルールに合わせていくことが重要」と述べた。 また、運輸労連大阪府連の山口善弘委員長は「労働者の安全、ひいては社会全体の安全と安心を担保するには、正しい運賃と料金の収受が欠かせない。トラックドライバーの労働時間や待遇について、社会全体で考えていくべき」と訴えた。 【写真=現在40%程度とされる積載率改善につなげ】