阿波急行運輸、未経験者ゼロから育成 グループネット生かし
物流企業
2016/08/11 0:00
【徳島】阿波急行運輸(加藤英樹社長徳島市)は2011年8月にダイセーホールディングス(田中孝昌社長、東京都千代田区)のグループに入り、デジタルタコグラフ(デジタコ)による輸送効率化やコンプライアンス(法令順守)の徹底を推進してきた。地場の運送会社との連携を強化するとともに、日本国内のみならず世界に広がるダイセーグループのネットワークを生かして荷主に様々な提案をし、幅広いニーズに応えていく。阿波急行運輸は、保有車両43台で長距離輸送が中心。塩や木材関連、青果物、一般雑貨などを扱っている。グループ入りした当時は紙のチャートで運行管理をしていたが、デジタコに換えて効率化を推進。帰り荷の確保に力を入れて空車回送率を下げ、生産性を高めてきた。 デジタコはGPS(全地球測位システム)機能を搭載しており、連続運転時間など改善基準告示を順守。また、全車にドライブレコーダーも装着し、万全な危機管理体制を構築している。 加藤社長(41)は、ダイセーロジスティクス(田浦辰也社長、東京都文京区)から、常務として阿波急行運輸に入社し、11年11月から現職。入社してくるドライバーには安全項目として、①プロ意識を持つ②荷物を託す側、託される側、同僚や家族の思いに考えを巡らせ、自分の取るべき行動を考える③健康管理に留意する――を徹底するよう指導してきた。 加藤氏は「積み込み先などに同行してチェックするとともに、荷主から悪い点を直接聞き、服装やマナーも含めて改善を図ってきた。ドライバーはデジタコによる管理にも慣れ、今は定着している」と話す。 本社のある徳島市津田海岸町の近隣には、3年後をメドに徳島自動車道のインターチェンジが開設される予定で、加藤氏は「新たな展開を図れれば」と期待している。 ドライバー不足は同社も例外ではなく、地場の同業者と助け合いながら輸送力を確保している。また、16年から、未経験でもやる気のある人材をゼロから育成していく方針に切り替えており、徳島県トラック協会(粟飯原一平会長)の助成制度を活用して、既に3人の社員が大型運転免許を取得している。 加藤氏は「ダイセーグループに入っていることで、点から面への展開が可能になった。グループ企業を紹介しながら荷主にいろんな提案を行い、どんな要望にも応えられるようにしていきたい」と意欲を示している。(江藤和博) 【写真=昨年4月に改造した倉庫では飲料関係を保管】