三協運輸サービス、ハラル認証を取得 履歴管理で差別化図る
物流企業
2016/08/11 0:00
三協ホールディングス(中本久富社長、埼玉県越谷市)傘下の三協運輸サービス(小島勝己社長、同)は、マレーシア政府の認証機関であるマレーシアイスラム開発局(JAKIM)から、ハラル認証を取得した。6月1日を発効日として、7月にJAKIMから認定証が送付された。 イスラム教徒は世界中に15億7千万人いると言われ、日本国内だけでも10万人程度とみられる。イスラム教徒にとって「豚肉を使用していない」などのハラル表示は重要で、現在、ハラル認証機関は世界に200以上ある。その中で、JAKIMの審査基準はイスラム諸国の中で最も厳しいと言われている。 申請に当たっては、昨秋、三協HD傘下の4番目の子会社として、マレーシアのペナン州に現地法人、パパネッツ・アジア(中本久富社長)を設立。それを受け、パパネッツ・アジアの管理運営責任の下、三協運輸サービス本社で運送に関する審査をJAKIMの審査員から受け、認証となった。 今回の認証を踏まえ、三協運輸サービスでは食品輸送に特化したハラル専用コンテナを開発。輸送だけでなく、保管も含めたトレーサビリティー(履歴管理)を含め同業他社との差別化を図っていく考え。 中本社長は「他社の出来ないことをするのが、当社グループとしての基本姿勢。今回の認証による見返りは求めていない」としながらも、「現在、生協の個配事業やネット宅配などで展開している配送業務でも、ハラルだけで宅配する仕組みを構築していく予定」と、新たな展開に意欲を示している。(谷本博) 【写真=専用コンテナは4トントラックに3台が積載可能】