工藤商事、ロックフェス搬入指揮 道内最大運営スムーズに
物流企業
2016/08/08 0:00
【北海道】工藤商事(工藤英人社長、北海道栗山町)は、12日から始まる北海道最大の野外音楽イベント「ライジングサン・ロックフェスティバル」を物流面から支え続けている。同イベントの輸送を2008年に始めて以降、仲間の運送会社や他業種事業者との協力態勢を構築。スムーズな運営に貢献している。(北原進之輔) 工藤社長は「なかなか他では出来ない仕事なので、携われていることを誇りに思う。我々は運送会社だが、『運ぶ』というよりモノを作り上げる感覚。大変ではあるが面白く、達成感は大きい」と語る。 同イベントは、日本初のオールナイト野外ロックフェスとして1999年から毎年8月に北海道で開催。2015年は2日間で全国から延べ6万5千人が来場するなど、夏の一大イベントとなっている。 会場となる石狩市と小樽市にまたがる広大な土地の敷地面積は80万平方メートルにも及ぶ。そこに七つのステージが建ち、延べ100組以上のアーティストが演奏を繰り広げる。 7月から設営が始まり、8月中に撤収作業を終える工程で、工藤氏は開催当日も現場に付きっきりで輸送を指揮する。「昔は自分たちの仮設事務所がメインステージ脇にあり、徹夜続きでボロボロなのに、仮眠中も演奏の音が大きく寝ていられなかった」と笑いながら振り返る。 運び込むものは出演者の楽屋や運営本部、関係者の仮事務所となるユニットハウスや仮設トイレ。更に、灯光器、地面を養生する敷鉄板のほか、重機や発電機、それに伴う燃料など多岐に渡る。「当社はトレーラがメインなので、クレーンやユニック、ローリーなど輸送の大部分を仲間の協力によって支えてもらっている」と話す。 同氏は「我々以外にも建設や水道、電気など様々な業者が同時進行で作業する。お互いの足並みがそろわないと全ての業者に影響が出てしまう。同業の仲間やフェスに携わる業者間の連携が大切だ」と語る。 今後の課題は「現場を指揮出来る片腕の育成」。今年の出演者で注目しているのは「女性ロックシンガーの大黒摩季さん」と話す。 【写真=建設中のメインステージをバックに工藤社長】