日本梱包、埼玉・小川に第二倉庫 工場機能併せ持つ
物流企業
2016/08/08 0:00
日本梱包運輸倉庫(黒岩正勝社長、東京都中央区)が埼玉県小川町に建設を進めていた小川営業所の第二倉庫が竣工、4日から稼働した。流通倉庫と工場機能を併せ持つ「ハイブリッド物流拠点」をコンセプトに、1時間当たり出力760キロワットの太陽光発電装置を屋根上に設置。消費電力の少ないLED(発光ダイオード)照明を採用するなど、環境配慮型の次世代流通倉庫とした。 第二倉庫が立地する小川営業所は、ホンダの小川工場と寄居工場(寄居町)に隣接。国道254号に面し、関越自動車道・嵐山小川インターチェンジ(IC)、花園ICからそれぞれ10~15分程度と交通アクセスに優れる。 事務棟を併設する2階建て施設は保管面積1万8500平方メートルを確保し、第一倉庫と比べて倍増させた。1階は建物の3面で入出庫が可能。うち1面を高床式プラットホーム構造とし、海上コンテナ用の堀り込み式ドックレベラー4基とトラック用ホームレベラー11基を備える。奥行き5~13メートルのひさしを設け、雨天・強風時の屋根下での荷役にも対応した。各階のフロアを8区画に分割し、1階は全区画に入出庫用の間口も設けた。 工場機能を持たせた2階は、システム建築工法を採用することにより全区画に中間柱が無く、広いスペースを実現。工場としての運用に配慮し、床面は防じん仕様とした。各階の天井高は6メートルを確保。荷物用エレベーター6基のうち、中央の2基は屋外からも搬出入できる両開き式を導入した。 日本梱包は2013年7月、同じ敷地内に第一倉庫を稼働させており、ホンダの埼玉製作所や小川工場など県内3工場向けの部品供給と完成車輸送の拠点として運用してきた。15年8月には、製造請け負いに特化した構造の小川営業所寄居出張所を開設。今回の竣工により、小川町周辺の拠点展開体制が整った。同社では、17年3月期中に国内8カ所で拠点の新増設を計画している。 4日に開かれた完成記念式典では、設計・施工を担当した川田工業(富山県南砺市)の川田忠裕社長ら建設関係者に感謝状を授与。黒岩社長は「先に竣工した第一倉庫と併せ、物流を通じて社会、国家に貢献していきたい」とあいさつした。また、小川町の松本恒夫町長の祝辞に続き、ホンダ埼玉製作所の鎌田雅之所長が「小川、寄居の両工場に近く、輸送距離が短縮されることによる環境、安全面でのメリットは大きい」と述べた。(小瀬川厚) 【写真=屋根に出力760キロワットの太陽光発電装置を設置】