物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

ポケモンGO、全国でトラブル相次ぐ 運転中プレーや飛び出し

物流企業

2016/08/04 0:00

 世界各国でブームとなっているスマートフォン(スマホ)向けアプリ「ポケモンGO」が7月22日に国内配信されて以降、車や自転車を運転中のスマホ操作や歩きスマホによる歩行者の飛び出しなど、トラブルが相次いでいる。25日には、京都府警日向町署がポケモンGOをプレーしながら運転していたトラックドライバーに、道路交通法違反の疑いで交通反則切符を交付した。(大島杏奈)  室蘭海陸通運(北海道室蘭市)の成田俊彦社長(62)は「ドライバーには全員、社用のガラパゴス携帯を渡しているが、個人のスマホや携帯電話は各自で管理している。スマホを取り上げるわけにいかないので、ドライバーを信用するしかない。我々、事業者は世の中の流れに対応する必要があるが、ドライバーだけでなく、スマホに夢中になっている歩行者の飛び出し事故も心配。難しい問題だ」と話す。  北海道の高橋はるみ知事も、26日の定例会見で「これまであまり知られていない観光スポットをPRするという意味で大変意義深いゲームだが、利用者のマナー次第で、事故やひったくりなどの犯罪被害のほか、私有地や立ち入り制限区域への無断立ち入りなど問題も多い。『歩きスマホはしない』『自動車や自転車の運転中には利用しない』『危険な場所には立ち入らない』など、ゲーム利用上の注意点を守って欲しい」と懸念を表明した。ポケモンGOは、スマートフォン用のAR(仮想現実)モバイルゲーム。GPS(全地球測位システム)とカメラを使用することで画面上に出現するキャラクターを捕獲し、育成・対戦するもので、開発・発売元は米ナイアンティック。  ゲームには、ポケストップ(アイテムなどを入手できる場所)やジム(バトルできる場所)が設定されていて、地域の観光名所やシンボル、観光スポット、ランドマークなどが指定されている。上ノ国町では、地図や観光名所に加えて、町内のポケストップやジムなどを記した「ポケモンGO対応かみのくに観光マップ」を作成し、集客アップを狙うなど、経済効果も期待される。  一方、警察庁によると、配信開始からわずか6日で全国で車や自転車を運転中に「ポケモンGO」をしていたとして摘発されたケースが、406件発生。このほか、「ポケモンGO」操作が原因の交通事故が36件で、このうち11件は人身事故だった。  北日本エクスプレス(苫小牧市)の佐藤瑞輝社長(44)は「今のところまだ対策は取っていない」という。ただ、ドライバーに毎日渡す配車票にはドライバー一人ひとりにコメントや資料を添付しているので、今後、その中で注意を呼び掛ける方針で、「ポケモンGOに限らず、安全対策の一環として事故防止に取り組みたい」と話す。  ホベツ運輸(前田久蔵社長、同市)の木戸孝芳常務(67)は「当社のドライバーの平均年齢は50歳ほどだが、20代も3人在籍している。安全対策委員会などでヒヤリ・ハットや事故事例とともに話題にしていきたい。ドライバーが運転中に携帯電話を使用することは、もってのほかだが、歩行者の飛び出し対策など、様子を見ながら対策を検討したい」としている。  27日、北海道旅客鉄道(島田修社長、札幌市中央区)は、ホーム転落事故などを懸念して全国の鉄道事業社22社局と日本地下鉄協会と連名で、鉄道施設内にキャラクターが出現しないよう設定するなどの改良に関する要請書を作成。ナイアンティックに対し、駅のホームや線路にキャラクターを出現させないよう文書で要請した。  また、東日本高速道路(広瀬博社長、東京都千代田区)は、「ポケモントレーナーの皆さまへ」と題し、ポケモンが高速道路に出現してもキャラクター捕獲のために駐停車しないよう呼び掛けている。 【写真=町中に出現したキャラクター】





本紙ピックアップ

センコー、丸運にTOB

 センコーグループホールディングスは13日の取締役会で、丸運に対する株式公開買い付け(TOB)を開始することを決めた。丸運が得意とする化学品やエネルギー関連輸送、重量物輸送の強化を狙う。買収額は200億円程度とみられ、セ…

タカラ倉庫、中京圏の配送網拡充

 タカラ倉庫運輸サービス(渡邊慎也社長、神奈川県海老名市)は、中京圏での配送ネットワークを拡充する。愛知県の運送会社をグループ傘下に収めるほか、北関東・東北地方でのビジネス拡大に向け他社との資本・業務提携も進めていく。8…

ニュース深掘り/軽油引取税「暫定税率廃止」、通常国会に閣法提出へ

 与野党が廃止で合意した燃料課税の旧暫定税率のうち、軽油引取税の法案については、年明けの通常国会に内閣提出法案(閣法)として出される見通しだ。10日の衆院予算委員会で高市早苗首相が立憲民主党の重徳和彦税制調査会長(愛知1…

陸災防/全国大会、安全・健康確保「重要」

 陸上貨物運送事業労働災害防止協会(齋藤充会長)は13日、群馬県で全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会を開催した。「荷役5大災害防止対策」の徹底などを盛り込んだ大会宣言を決議し、安全で健康に働ける職場環境の実現を誓った。…

オススメ記事

センコー、丸運にTOB

 センコーグループホールディングスは13日の取締役会で、丸運に対する株式公開買い付け(TOB)を開始することを決めた。丸運が得意とする化学品やエネルギー関連輸送、重量物輸送の強化を狙う。買収額は200億円程度とみられ、セ…

タカラ倉庫、中京圏の配送網拡充

 タカラ倉庫運輸サービス(渡邊慎也社長、神奈川県海老名市)は、中京圏での配送ネットワークを拡充する。愛知県の運送会社をグループ傘下に収めるほか、北関東・東北地方でのビジネス拡大に向け他社との資本・業務提携も進めていく。8…

ニュース深掘り/軽油引取税「暫定税率廃止」、通常国会に閣法提出へ

 与野党が廃止で合意した燃料課税の旧暫定税率のうち、軽油引取税の法案については、年明けの通常国会に内閣提出法案(閣法)として出される見通しだ。10日の衆院予算委員会で高市早苗首相が立憲民主党の重徳和彦税制調査会長(愛知1…

陸災防/全国大会、安全・健康確保「重要」

 陸上貨物運送事業労働災害防止協会(齋藤充会長)は13日、群馬県で全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会を開催した。「荷役5大災害防止対策」の徹底などを盛り込んだ大会宣言を決議し、安全で健康に働ける職場環境の実現を誓った。…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap