来年度 大口割引率50%を継続 ETC2.0対象 政府、経済対策に盛る
行政
2016/08/01 0:00
政府は7月28日、2016年度補正予算などの裏付けとなる経済対策を固め、「ETC2.0(次世代型自動料金収受システム)利用者に対する大口・多頻度割引」「トラック運送業の生産性向上の促進」を盛り込んだ。これにより、ETC2.0搭載車を対象とする高速道路会社(NEXCO)による最大割引率50%が、17年度も継続されることがほぼ確定。荷役作業の省力化によるトラック事業の生産性向上の観点から、トラックへのパワーゲートの装着に対する助成措置が創設される見通しだ。(田中信也) 今回の経済対策は、道半ばのアベノミクスを加速させるため、当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な経済成長と「一億総活躍社会」の実現につながる施策が中心。併せて、働き方や労働市場、人材育成、社会保障改革なども盛り込み、未来への投資を実現する 対策を旗印に掲げる。対策は、16年度補正予算と17年度当初予算を合わせて実施する方針で、安倍晋三首相は事業規模28兆円を投入する方針を打ち出している。政府は7月28日に開かれた自民党政務調査会の全体会議で、対策案を提示した。 冒頭、高鳥修一内閣府副大臣が「(自民党の)皆さんからの要望をおおむね反映させた」と述べ、稲田朋美政調会長も「前回の全体会議では40人でしっかり議論し、取りまとめた」と応じた。討議の結果、了承を得ており、順調にいけば2日の臨時閣議で正式決定する。 大口・多頻度割引は、16年度分については15年度補正予算で256億円が計上されており、ETC2.0対応車載器の装着車に限り最大割引率50%となっている。今回の措置により、17年度も継続されることになった。全日本トラック協会(星野良三会長)をはじめトラック業界団体は「制度の恒久化」を要望してきたが、当面、これまでと同様に補正予算による措置で維持される。 また、経済対策にはトラックのパワーゲート装着に対する助成措置が盛り込まれる見通しで、助成額は導入費用の3分の1程度とみられる。このほか、国際コンテナ戦略港湾等の機能強化、中小企業向けの資金繰り支援、農林水産物の輸出促進などが挙がっている。 【写真=自民政調の全体会議で政府案を了承】