祇園祭、京ト協青年部会が参加 伝統行事の魅力を伝え
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2016/07/28 0:00
【京都】京都に夏を告げる祇園祭。そのハイライトとなる前祭(さきまつり)の山鉾ぼこ巡行が17日、京都市下京区と中京区で繰り広げられ、京都府トラック協会の青年部会(三木昇部会長)メンバーが引き手として参加。869年から始まったとされる伝統行事の魅力を、沿道で見つめる見物客に伝えた。 祇園祭は、都で流行した疫病の退散を祈願して始まった「祇園御霊会」が起源とされ、千年以上続く 歴史あるイベント。山鉾巡行は国の重要有形民俗文化財として指定されており、2009年9月にはUNESCO(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産にも登録された。 京ト協青年部会は、月鉾保存会(斎藤政宏理事長)の副理事長で杉江電機工業(京都市南区)社長の杉江健次氏から引き手の依頼を受け、社会貢献活動の一環として15年からサポート。 文献によると、月鉾は応仁の乱(1467年)以前から存在し、鉾頭に三日月、真木の中ほどの天王座には月読命(つくよみのみこと)を祭っている。屋根下の破風部分は金具彫刻で覆われ、中央下には左甚五郎作と伝わるウサギの彫り物、屋根裏に円山応挙作の金地彩色草花図など、文化価値も高い。 当日は、三木部会長をはじめ、新井泰秀、吉田知史、建口和矢、杉山貴富の各副部会長が協力した。午前7時に月鉾保存会事務所前(京都市下京区)に集合。午前9時前、祇園囃子ばやしの響く中、先頭の長刀鉾が出発するのに合わせてスタート。「ソーレ」「エンヤラヤー」の掛け声とともに、重さ10トン以上ある鉾を力いっぱい動かした。 三木氏は「伝統ある祇園祭に協力でき、ありがたい。今後も社会貢献活動として、事業に盛り込んでいきたい」と語った。(落合涼二) 【写真=重さ10トン以上ある鉾を力いっぱい動かす建口副部会長(左)、三木部会長(その右)】