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大阪府/流入車規制、ステッカー廃止へ 知事への措置報告も

行政

2016/07/28 0:00

 大阪府は、流入車を規制するためトラック事業者などに義務付けている、規制適合車へのステッカー貼付(ちょうふ)の規定を廃止する方向だ。流入車規制の施行から7年が経過し、条例の義務が十分に熟知され、適切に履行されているため。知事への措置報告も、必要性や効果、事業者の負担を考え、制度として終了する方針。  府環境審議会の流入車対策部会(近藤明部会長、大阪大学大学院教授)、府自動車排出窒素酸化物及び粒子状物質総量削減計画策定協議会の総量削減計画進行管理検討部会(同部会長)が21日、会合を開き、府における流入車対策及び大型車を中心とする自動車環境対策の新しい取り組み内容の素案をまとめた。  10月に開催する同部会の会合で再調整した後、府環境審議会へ提出する。  流入車規制は、「生活環境の保全等に関する条例」に基づき、府内37市町を発着地として運行する車両に、自動車NOX(窒素酸化物)・PM(粒子状物質) 法の適合車を使用するよう義務付けたもの。貨物自動車(1、4ナンバーのトラック、ライトバン、商用車)と乗合自動車(2ナンバーのバス、マイクロバス)、  特殊自動車(8ナンバー)に対し、使用の本拠の位置、自家用、営業用の区別にかかわらず規制対象に定め、規制適合車にはステッカーの表示を規定している。  府内が使用の本拠の位置の対象自動車を30両以上保有する貨物自動車運送事業者、貨物利用運送事業者、旅客自動車運送事業者のいずれかと、府内に事業所を持ち、資本金が3億円を超える貨物利用運送事業者には、前年度に適合車を使用するために講じた措置やその実施状況などを報告するよう求めている。違反者対策としては、適合車の使用命令やステッカーの表示命令を出し、それに従わなかった場合の罰則規定を設けている。  21日の会合で示された素案によると、対策地域内における普通貨物車の非適合の流入車割合は、07年度の17%から14年度には0.8%まで低下し、バスについては1%未満で推移。14年度の調査で、普通貨物車の非適合車率は、事業用0.3%、自家用2.1%と自家用の方が高いことが分かった。  府の車両検査や環境省のナンバープレート調査を通じて、事業用自動車の大部分が改善されているのに対し、自家用は進んでいないことが判明したが、非適合車は府内を広く走行しているため、出入り施設の実態把握が困難――と課題に挙げている。  一方、ステッカー制度については、「非適合車はおおむね十数年以上使用されており、外観の老朽具合で識別できるが、新車でも貼付が義務付けられるのは申請や交付番号管理の面で事業者に過度な負担を強いている」と説明。「荷主や旅行事業者でも履行が定着しており、確認・記録の義務を課す必要は無い」として、終了させる方向性を示した。(蓮尾輝) 【写真=流入車への対策と自動車環境対策の新たな取り組みについて協議】





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