札幌市 共同荷さばき実験、配送エリアを拡大 利益確保へ仕組み構築
行政
2016/07/14 0:00
【北海道】札幌地区トラック協会の特積部会(代田和雄部会長代理)は、札幌市などが取り組んでいる市中心部の共同荷さばき実験に協力する。6日に開いた実務担当者会議で、市や北海道開発局の担当者らと実験方法案や課題について話し合った。実験期間は8月末から2017年3月までを予定。道路に関する社会実験として市の「道路空間における価値向上のための民間活力による持続可能な荷さばきエリアマネジメント実証実験」が6月15日に国土交通省から採択され、実験をスタートさせる。 市中心部ではトラックの十分な荷さばきスペースを得ることが困難なことから、ストックポイントを活用した共同配送体制を構築することで、運送事業者や歩行者、一般ドライバーらの安全確保を目指す。また、実験を通して都心部における新たな荷さばきシステムの構築も視野に入れる。行政、運送事業者、流通業者らと連携し、利益確保を前提とした共同配送の仕組みを構築していく。 今回の実験は2015年10月に市中心部で3日間行ったストックポイントを活用した商業施設店舗などへの共同配送実証実験を拡大させるもの。前回より多くの参加事業者の協力を募り、期間、配送エリアを拡大して検証する。今回の配送エリアは、南北は大通公園から国道36号まで、東西は創成川通から西6丁目線までで、前回より拡大した。 札幌開発建設部都市圏道路計画課の上村達也課長補佐と総合建設コンサルタント会社ドーコンの沢充隆・都心交通企画室長が、実験の趣旨や方法案を説明。エリア内に設けたストックポイントや、市中心部近郊に物流拠点を設置する案を提案した。更に、ストックポイントの運営を担う事業者を募集したほか、より多くの荷物を持ち込んでもらえるよう協力を求めた。 実務者担当会議の議長を務める北海道福山通運札幌支店の小丸貴雄支店長は「前回の1.5倍強とエリアは広がったが、コストや品質面などを心配している。地下街や商業ビルへのエレベーター搬入、台車を使う際の冬のロードヒーティングの問題も共配の重要なポイント。将来的には、このような点も前向きに議論していきたい」と話した。(北原進之輔) 【写真=実験方法案や課題について話し合う】