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琉球海運、日台間で一貫輸送 現地にシャシー乗り入れ

物流企業

2016/07/07 0:00

 琉球海運(宮城茂社長、那覇市)は6月24日、国内を走行しているシャシーに台湾ナンバーを取り付けて乗り入れる日台間のシームレス輸送を開始した。RORO船でシャシーごと台湾まで荷物を運び、現地納入先まで一貫輸送する。貨物の積み替え作業を無くすことで、リードタイムとコストを削減。貨物破損のリスクを抑え、輸送品質を高める。企業単独で海外当局から許可をもらいシームレス輸送を行うのは、極めて珍しい。(上田慎二)  琉球海運では4月25日、台湾交通部航港局から同社所有のシャシー8台に台湾ナンバー(臨時)で走行する許可を得た。博多港から那覇港経由で台湾・高雄港を結ぶRORO船「みやらびⅡ」による無人化航送を行う。  高雄港では、交通部航港局が書類・積み荷を検査し、臨時ナンバーを交付する。申請からナンバー取り付けまでに要する時間は、空車(シャシーのみ)の場合、10分程度に抑えることができる。  6月24日、那覇港からウィングシャシー1台と原木を積み込んだシャシー2台が、シームレス輸送の第1便として出港。同26日、高雄港に到着し、10キロメートル離れた木材集積場に台湾ナンバーで貨物を届けた。  現地では、台湾では珍しいウィングトレーラのデモンストレーションも実施され、注目が集まった。  琉球海運では「振動、衝撃を嫌う精密機械や、コンテナに入らない長尺鋼材の輸送に問い合わせが増えている。今後、ウィングトレーラを活用し、パレット化された貨物輸送や、台湾からの輸入貨物の開拓にも力を入れたい」(外航課)としている。   海外とのシームレス輸送は、日本通運や韓国の物流企業により、日産自動車九州(荒井孝文社長、福岡県苅田町)-韓国ルノーサムスン自動車の各製造拠点間で、シャシーの相互通行が行われている。これは国土交通省のパイロット事業として展開されており、琉球海運のように企業単独で取り組む事例は珍しい。 【写真=台湾を走る琉球海運のシャシー=琉球海運提供】





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