日商調査、運輸業「人手不足」72% ICT活用取り組み進まず
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2016/07/04 0:00
日本商工会議所(三村明夫会頭)が6月29日発表した「人手不足等への対応に関する調査」結果によると、「運輸業」で人手が「不足している」と答えた企業の割合は72.3%に上り、2015年度の調査を11.4ポイント上回った。業種全体では15年度より5.3ポイント高い55.6%となっており、運輸業の人手不足感が一層強まっている。更に、運輸業の「求める人材」については、「一定のキャリアを積んだミドル人材」が72.1%と最も高く、15年度とほぼ横ばいの結果となった。(高橋朋宏) 人手が「不足している」と答えた企業を業種別にみると、最も高かったのは「宿泊・飲食業」79.8%。次いで、「介護・看護」77.5%で、「運輸業」はこれに次ぐ3番目だった。求める人材については、「一定のキャリアを積んだミドル人材」が全業種で最も高く、「運輸業」では72.1%に上った。 長時間労働の削減に向けた取り組みでは、いずれの業種でも「取り組んでいる」が高く、「運輸業」は全体平均を1ポイント上回る74.8%。 女性の活躍推進について、「実施していない」と回答した割合が最も高かったのが「建設業」の46.8%で、「運輸業」の42.9%は2番目に高かった。課題(複数回答)として挙がっているのは、「女性の職域が限定されている」38.6%、「女性の応募が少ない(女性社員が少ない)」31.7%などだった。 同一労働同一賃金について、賃金を決定する際に考慮する項目で「合理性がある」(複数回答)と考えられるのは、「責任」76.9%、「本人の生産性」76.7%など。 一方、労使紛争で賃金差の理由の立証を求められた際に「立証が難しい」(同)と思われる項目も「本人の生産性」47.0%、「責任」37.7%が高く、「合理性はあるが、立証は難しい」と考えている企業が多かった。 また、情報通信技術(ICT)を活用した業務の効率化に向けた取り組みでは、「取り組んでいない」が48.7%と最も高かったのは「運輸業」だった。理由(複数回答)は「経営層の知識が不足」「導入費用が高い」など。 自由記載欄では「運輸業界では長時間労働を削減する努力はしているが、その分、乗務員の年収が少なくなり、人手不足が加速してしまう。荷主の運賃の値上げが、人手不足の解決になると思う」(群馬県、運輸業)などの声が上がった。 調査は、47都道府県の中小企業4072社を対象に、4月4日~5月9日の間、訪問して実施。2405社(回答率59.1%)が回答した。
