斎藤商運、19歳「ももちゃん」女性ドライバー出発式 特注1.6トン冷凍車乗務
物流企業
2016/07/04 0:00
【神奈川】斎藤商運(斎藤孝一社長、神奈川県伊勢原市)は6月25日、女性ドライバーの臼井萌々花(ももか)さん(19)の配送業務出発式を行った。乗務するのは、現行の普通自動車運転免許で運転できるよう、特注で導入した1.6トン積みの冷凍車。「トラックドライバーになるのが、幼い頃からの夢だった」という臼井さん。夢がかない、県内の食品卸売業者、小売店向け配送で活躍することになる。(吉田英行) 臼井さんは2015年3月県内の高校を卒業し、翌4月に入社した。高校時代に職場見学で同社を訪れ、斎藤社長の引率で倉庫や大型トラックを見て回った。社員が「明るく、楽しそうに働いている」ことと、大型免許まで会社全額負担で取得できる制度に魅力を感じ、両親の反対を押し切って入社を決意した。大手物流会社も見学したが、「働く人の表情が楽しくなさそうで、やめた」という。 現行の道路交通法による普通免許では、総重量5トン以上の車両を運転できないことから、臼井さんは入社から1年間、倉庫内作業に従事。フォークリフト技能講習を受けて資格を取り、主に食品の仕分け、荷役を担当してきた。 同社では14年度から高校新卒者の採用を開始。普通免許でも運転できる総重量5トン未満、積載量1.6トンの冷凍車を2台特注し、男性ドライバー2人が乗務している。このうち1人が4月に中型免許を取得し、他のトラックにステップアップしたため、今回臼井さんに特注車乗務の番が回ってきた。 主に、荷主の食品物流センターから、県内の卸売業者、小売店向けの配送を担当し、1日当たり10~15カ所に納品する。特注車は食品150~200ケースを積載でき、小口配送ニーズに対応している。 臼井さんは明るく人見知りしない性格。職場では「ももちゃん」の愛称で、慕われている。私生活でもピンク色の軽トラックに乗るほどのトラック好きだ。 将来の夢はもちろん、大型トラックの乗務。5月から一部ルートでトラックを運転しているが、「道を覚えるのが楽しく、納品先で『ありがとう』と言われると、とてもうれしい。もっとスムーズに回れるようになり、もっと多くの荷物を任せてもらえるようになりたい」と意欲をみせる。 物流の課題として感じているのは、路上駐車や納品口の構造だ。 「納品のため、路上駐車することが多い。店が大きいのに、納品口が小さいケースもある。納品の安全面を考えて欲しい」 斎藤建一専務は「現在女性ドライバーは7人いるが、更に増やしたい。女性が活躍するためには、トイレや待ち時間、付帯作業といった問題の解消に向け、荷主や社会の理解が必要」と指摘する。 【写真=特注冷凍車の前で笑顔をみせる臼井さん】