物流ニッポン – 全国の物流情報が集まるポータルサイト

国交省、ミャンマーで実証事業 農水産物の高品質輸送

行政

2016/06/27 0:00

 国土交通省は22日、ミャンマーでの高品質な農水産物輸送の実現に向け、実証事業を行う、と発表した。荒れた道路にも対応できるパレットや鮮度保持剤など日本の技術を活用して、効果や課題を調査・分析。高度な物流システムの形成を図り、日本の物流企業の現地進出を促す。  ミャンマーは多くの人口や豊富な天然資源に加え、経済制裁の緩和や外国企業の投資拡大などで高い経済成長を続けている。日本企の出資による経済特区の開発も進められており、物流需要が増加。一方で、電力不足や道路インフラの未整備といった現状もあり、荷主と共に現地進出する傾向のある日本の物流企業にとって課題となっていた。  実証事業では、現地の主要産業である農業に焦点を当てる。「日本式」の技術を持ち込み、品質管理体制や輸送技術の改善を推進。技術の効果や問題点を確かめ、日本の物流企業が現地で貨物を調達しやすくなるように環境を整える。  27日から7月13日まで、鴻池運輸が物流機器を活用して野菜の輸送実験を行う。現地の農産品は、輸送時に鮮度対策を講じないため荷物の損傷が激しいほか、トラックに直接載せたり、木箱を使用したりするなど物流品質も低い。  実証事業では、荒れた道路でも対応可能な防振パレットや通気性に優れる折り畳みコンテナ、鮮度保持剤などを採用。輸送段階での廃棄率低下や品質保持を目指す。産地のシャン高原からヤンゴンまでの国内輸送に加え、ヤンゴンからバンコク(タイ)までのクロスボーダー輸送も実施、輸送時の衝撃度やクロスボーダー輸送時の課題を調査するとともに、品質の状態を確認する。  また、農産物を選別せずに出荷するため品質が安定しない問題も出ていることから、マンダレーでマンゴーの出荷・輸送前に糖度などを検出する「選果機」を導入する。(土屋太朗)





本紙ピックアップ

手形・小切手廃止、「効率化つながる」評価

 紙の手形・小切手の利用が2026年度末で廃止されるのに向け、物流業界でも対応が進んでいる。銀行振り込みや電子記録債権などに切り替えた事業者からは、効率化につながるとして評価する声が多い。会員企業に対応を促すため、トラッ…

富士運輸「アスファルト原液輸送」、複数人運行&手当 

 富士商(藤田敏彦会長兼社長、山口県山陽小野田市)グループの富士運輸(阿部悦雄社長、同)は、運送会社の廃業・撤退が増えている道路舗道に使うアスファルト原液の輸送を、1台の車両を複数のドライバーが乗り回す運行体制とマルチス…

阪神港「CONPAS」実用化1年、意見すれ違い普及進まず

 阪神港で実用開始から1年以上経っても、コンテナの搬出入予約システム「CONPAS(コンパス)」の普及が進まない現状について、海上コンテナ輸送事業者とコンテナターミナル(CT)運営会社の意見が擦れ違っている。CT側は「事…

両備TC、ドライバーが貨物・旅客輸送を兼務

 両備ホールディングス(松田敏之代表取締役CSO=最高戦略責任者)の両備トランスポートカンパニー(両備TC、荒木一守カンパニー長)は、大阪支店(大阪府和泉大津市)で、一人のドライバーが貨物と旅客の輸送を兼務する多能工化を…

オススメ記事

手形・小切手廃止、「効率化つながる」評価

 紙の手形・小切手の利用が2026年度末で廃止されるのに向け、物流業界でも対応が進んでいる。銀行振り込みや電子記録債権などに切り替えた事業者からは、効率化につながるとして評価する声が多い。会員企業に対応を促すため、トラッ…

富士運輸「アスファルト原液輸送」、複数人運行&手当 

 富士商(藤田敏彦会長兼社長、山口県山陽小野田市)グループの富士運輸(阿部悦雄社長、同)は、運送会社の廃業・撤退が増えている道路舗道に使うアスファルト原液の輸送を、1台の車両を複数のドライバーが乗り回す運行体制とマルチス…

阪神港「CONPAS」実用化1年、意見すれ違い普及進まず

 阪神港で実用開始から1年以上経っても、コンテナの搬出入予約システム「CONPAS(コンパス)」の普及が進まない現状について、海上コンテナ輸送事業者とコンテナターミナル(CT)運営会社の意見が擦れ違っている。CT側は「事…

両備TC、ドライバーが貨物・旅客輸送を兼務

 両備ホールディングス(松田敏之代表取締役CSO=最高戦略責任者)の両備トランスポートカンパニー(両備TC、荒木一守カンパニー長)は、大阪支店(大阪府和泉大津市)で、一人のドライバーが貨物と旅客の輸送を兼務する多能工化を…

Share via
Copy link
Powered by Social Snap