ケイアイエヌ、アンプティサッカー支援 北関東に新チーム構想
物流企業
2016/06/27 0:00
【埼玉】北関東に新たなチームを――。事故や病気で手足を失った選手がプレーするアンプティサッカーの普及を通じて、障がい者支援に取り組んでいるのがケイアイエヌ(小西忠治社長、埼玉県深谷市)だ。日本アンプティサッカー協会(JAFA武田信平会長) の東日本新チーム設立委員長を務める小西社長は「11月の日本選手権までに新チーム設立に漕ぎ着けたい」と意気込む。 小西氏とアンプティサッカーの出会いは2015年4月。広島のチームを取り上げたドキュメンタリー番組を見たのがきっかけだった。感銘を受けた小西氏と社幹部らが広島まで赴き、JAFAの最高顧問を務めるセルジオ越後氏を紹介された。サッカー人気の高い埼玉県での新たなチーム構想の実現を越後氏から託された小西氏は設立委員長に就任。小西氏は「事故によって身体が不自由になった被害者がいるかも知れない。身障者支援に前向きな『奉仕の心』を持つ同業者も多いはずだ」と思いを突き動かした。 JAFAには北海道から九州までの7チームが公認チームとして加盟。関東エリアでは神奈川に2チーム、千葉に1チームの計3チームが所属。静岡でも設立の動きが進んでいるが、サッカー王国と呼ばれる埼玉や群馬、栃木といった北関東エリアにチームは無い。 アンプティサッカーのルールは通常のサッカーとほぼ同じ。フィールドプレーヤーは下肢切断者、ゴールキーパーは上肢切断者が務め、フィールドプレーヤーは「クラッチ」と呼ばれる杖を使う。パラリンピックの正式種目になっているブラインドサッカーに比べて認知度は高くないが、スピード感あふれるプレーが行われ、一般のサッカーでも上級テクニックといわれるオーバーヘッドキックをする選手もいるという。 猪野浩専務、黒沢勲常務ら同社の経営トップが選手の募集や練習施設の確保といった草の根作戦に取り組む。「我々の活動に賛同してくれた若者が選手として名乗りを上げてくれた。まだ一人だが、何としてもチーム設立につなげたい」。(小瀬川厚) 【写真=アンプティサッカーのルールは通常のサッカーとほぼ同じ(ケイアイエヌ提供)】