三和倉庫、危険物倉庫 稼働順調 千葉・市原 高付加価値品に対応
物流企業
2016/06/16 0:00
三和倉庫(鷹見伸佳社長、東京都港区)が3月に竣工した千葉事業所の新定温危険物倉庫(千葉県市原市)が、順調に稼働している。周辺には化学品メーカーが多いことから、厳密な温度管理を必要とする高付加価値製品の保管ニーズに対応し、荷主の品質向上をサポートしている。 京葉コンビナート内に立地する同事業所は1963年に開設。一般倉庫2棟、危険物倉庫5棟を持つ南岸倉庫、塩化ビニールの取り扱いとローリー充てん作業がメインの玉前倉庫、顧客工場内でのドラム缶充てん作業などを手掛けるMPC出張所で構成する。 新倉庫は南岸倉庫内に新設し、鉄骨造り平屋建てで建築面積994平方メートル。常温倉庫(床面積663平方メートル)と、セ氏15度以下に温度設定可能な定温倉庫2区画(各165平方メートル)の計3区画となっている。 準耐火建築物で、定温倉庫には空調機計8基、防爆型LED(発光ダイオード)照明を装備。自動火災報知機、屋外消火栓のほか、非常用電源も備え、荷主のBCP(事業継続計画)に対応する。 庫内は危険物の取り扱いを熟知した作業スタッフが管理。危険物第4類の第1~4石油類を扱える。毒劇物や保税貨物の保管にも対応が可能だ。 同事業所周辺には化学工場が多く、各メーカーは、汎用(はんよう)品から付加価値の高い化学製品の生産へシフトしている。ただ、千葉エリアには危険物倉庫が少なく、今後需要が見込めることから、倉庫を新設した。常温倉庫は既にフル稼働状態で、定温倉庫の引き合いも多い。 三和倉庫では、2013~15年の3カ年中期経営計画で、設備投資による化学品の庫腹量増加を掲げており、新倉庫は中計の目玉として立ち上げられた。 同社では「化学品メーカーの中には、千葉エリアで生産した高付加価値製品を、京浜エリアの危険物倉庫に輸送し保管しているケースがある。新倉庫を活用することで、輸送コスト削減のメリットもある」としている。 同社は今後も設備投資を積極的に進め、荷主ニーズに応えていく方針だ。(吉田英行) 【写真=非常用電源も備え、荷主のBCPに対応】