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国交省、貸切バス「更新制」導入 トラ事業へ波及か

行政

2016/06/09 0:00

 国土交通省は3日、長野県軽井沢町でのスキーツアーバス事故を受け、再発防止対策を取りまとめた。貸切バス事業者のみが対象だが、不適格な事業者の排除への「許可更新制」の導入といった対策が示されており、トラックなど他のモードへの波及の可能性など、今後の動向が注目される。  軽井沢スキーツアーバス事故対策検討委員会(山内弘隆委員長、一橋大学大学院教授)が3日の会合で最終取りまとめを行い、山内委員長と酒井一博委員長代理(大原記念労働科学研究所所長)が石井啓一国交相に報告書を手渡した。報告書では、「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的対策」について①安全運行に関する順守事項の強化・徹底②ルール違反を早期に是正させるとともに、不適格者を排除③安全確保を最優先に、バス、旅行両業界が協力・連携してルール順守の環境整備を推進――の基本思想に基づき、具体的な対策とスケジュールを整理。  このうち監査・審査業務の見直しでは、中間取りまとめで示した監査開始から処分までの期間短縮、事業停止・許可取り消し対象の拡大、日車方式での使用停止車両の増加といった監査・行政処分制度改正の厳格化(2016年度内に実施)に加え、「事業許可の更新性の導入」に踏み込んだ。  貸切バス事業者の事業遂行能力を一定期間ごとにチェックするため、既存事業者を含め導入する――としており、秋以降に道路運送法の改正も視野に制度化する方針だ。  トラック事業でも、「トラック産業の将来ビジョン検討会」のワーキンググループが13年に策定した報告書に「事業許可更新制の導入の可否を審議」することが盛り込まれている。ただ、具体的な審議はこれまで進んでおらず、今後は議論が再燃する可能性もある。(田中信也) 【写真=報告書を手にする山内委員長(右)と石井国交相】





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