首都圏/新料金導入1カ月、圏央道の交通量3割増
行政
2016/05/26 0:00
国土交通省が20日公表した、4月にスタートした首都圏の高速道路の新料金体系導入後1カ月の効果によると、外側の環状道路への利用転換が促されたことで、都心通過交通が1割減少した。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)は料金水準引き下げにより、交通量が3割増えた。(田中信也) 新料金は、これまでの整備から利用を重視した高速道路通行料金体系に移行することで、都心の渋滞を減らし、首都圏の交通流動を最適化することを目指して導入。導入による効果検証のため、2015年と16年の4月の1日当たり平均交通量を比較した。 都心への交通集中を回避するため、起終点が同じ場合、最短距離のルートの料金に統一。これにより、都心通過交通は11%減少した。特に、東名高速道路―東北自動車道は、15年4月の5400台に対し、16年4月は2700台と50%も減っている。 首都高の渋滞損失時間(ロス)は、15年3月の中央環状品川線開通で4割減ったが、今回の新料金導入で更に1割減らすことができた。 また、新料金で首都高はより細かな対距離制に移行し、24キロまでの利用が引き下げられたことで、例えば、港区青山付近では3号渋谷線の交通量が2%増となる一方、並行する国道246号は7%減となり、一般道の渋滞緩和による交通円滑化に貢献できている。 更に、ネットワーク整備が進む圏央道は、今回の料金水準引き下げにより、相模原インターチェンジ(IC)―高尾山ICが31%、青梅IC―入間ICでは26%、それぞれ交通量が増えるなど1年前と比べおおむね3割増加した。 東北道とつながった15年10月の川島IC―桶川北本ICの開通直後と比べても5~8%のプラスになっており、利用促進効果が上がっている。 【写真=首都高がより細やかな対距離制に移行したことで並行する一般道の交通が円滑化】