山岡産輸、環境リサイクルに参入 フィルム製造ライン開設
物流企業
2016/05/23 0:00
【千葉】加藤運輸グループの山岡産輸(加藤健一社長、千葉県市川市)は梱包用ラップなどストレッチフィルムの再生事業に参入する。大手特積事業者の幹線輸送を主力業務にしてきたが、環境リサイクル事業を新たな柱に育てる方針だ。 加藤運輸グループでは以前から、ベトナムで小売店向けのリサイクル・ビニール袋を製造しているが、山岡産輸は国内製造にシフト。輸出入コストを低減させた安価な製品供給を目指していく。 2015年1月から、ストレッチフィルムや結束用樹脂PP(ポリプロピレン)バンド、プラスチックパレットなどの樹脂製品の回収を開始し、茨城県小美玉市の再生工場で原材料の再生ペレットに加工。年内稼働の予定で、工場内にフィルム製造ラインの開設を進めている。 原材料の廃プラスチック類は有価物として月12㌧回収。月産100トンの目標達成に向け、廃材の提供先を開拓している。それに合わせ、11月には産業廃棄物の収集運搬免許を取得した。原料の提供先である物流企業は再生フィルムの顧客でもあり、安心して取引できる体制を準備するためだ。 山岡産輸は車両108台を保有し、市川本社と中部営業所(岐阜県各務原市)の2拠点体制で運行している。主力荷主は佐川急便(荒木秀夫社長、京都市南区)とヤマト運輸(長尾裕社長東京都中央区)の2社。新事業の開設で、売り上げの大半を特定荷主に依存する状況からの脱却を目指す。 また、5月中にも加藤運輸グループの環境事業効率化のため、グループ4社でグリーン環境協同組合(仮称)を設立する予定だ。 環境リサイクル事業の指揮を執る同社最高顧問の渡辺秀雄氏(62)は「ストレッチフィルムは物流に不可欠の資材。各社の要望に応じ、工夫した新商品を提供し、メーカー機能を強化していく」と話している。(佐々木健) 【写真=茨城県小美玉市の再生工場で原材料の再生ペレットに加工】