オーシャントランス、就航船を総入れ替え 4隻 9月まで完了
物流企業
2016/05/12 0:00
東京-徳島-北九州(新門司)航路のオーシャントランス(高松勝三郎社長、東京都中央区)は、9月上旬までに就航船全4隻の総入れ替えを完了させる。1月には第1船「フェリーびざん」(1万3千総トン型)が就航しており、5月中旬までには同型船の第2船「フェリーしまんと」をリプレース配船する。トラックドライバー不足が深刻さを増す中、省力・大型化フェリーを投入することで、旺盛な「モーダルシフト需要」を取り込んでいく。 新造船4隻は全て同型船(1万3千総トン型)で、全長190メートル、幅27メートルの大型フェリー。トラック188台(13メートル換算)、乗用車80台、旅客定員252人の航送能力を持つ。中でも、トラックの積載能力は現就航船と比べて1.7倍程度増える。 第2船「フェリーしまんと」は、19日の東京港発便から就航を開始する。引き続き、7月上旬、9月中旬までに、第3船「フェリーどうご」、第4船を相次いで投入し、全4隻の総入れ替えを終える。 ここ数年、東京-徳島-北九州航路の年間航送実績はトラック約7万5千台、乗用車5万5千台、旅客3万5千人で推移。各港から100キロメートル圏内は集荷日から最短で3日目配送が可能な運航スケジュールを組んでおり、直近では海上輸送には「不向き」とされる中小ロット貨物の輸送需要に対応するため、20トントレーラに積み替えて輸送するなどのサービスを提供している。 トラック業界では、長距離運行便を中心としたドライバー不足や改善基準告示の通達改正などにより、海上輸送に関心を示す事業者が少なくない。高松社長は「4隻が出そろっても、現行の夕刻発・早朝着の運航ダイヤに変更は無い。新造船の投入に伴い、定時・大量輸送といったフェリー構想の特性を最大限に生かし、物流業務の効率化に貢献していきたい」としている。(高木明) 【写真=徳島フェリーターミナルに停泊する「フェリーびざん」(奥)と現在の就航フェリー】