たちばな運輸、貸切バス事業参入へ 子会社7月にも許可取得
物流企業
2016/05/09 0:00
【京都】たちばな運輸(吉田敏雄社長、京都市西京区)は貸切バス事業に参入する。子会社のtuc(吉田知史社長、同)が4月18日付で、一般貸切旅客自動車運送事業の許可申請に係る法令試験をクリア。順調に進めば7月にも許可が下りる見通し。今後、京都・嵐山地区に近い立地条件を生かし、観光客や制作会社の撮影班などの送迎を行う。(落合涼二) tucは2013年に設立。第一種貨物利用運送事業からスタートし、15年に一般貨物自動車運送事業の許可を取得した。貸切バス事業については、1年前、関東で運送や撮影班の送迎を手掛けている会社から、「京都で撮影班の送迎を依頼できる会社があれば」と相談を受け、参入を検討。今年2月に申請した。 マイクロバスやハイエースを3台用意し、ドライバー3人体制で臨む。冠婚葬祭を始め、嵐山地区周辺の観光客向け送迎などを展開。インバウンド効果で京都への観光客は増えており、潜在需要はまだまだ高く、拡大が見込めると判断した。 吉田和史社長は「貨物、旅客というカテゴリーではなく、運送事業という捉え方をすれば、運ぶモノは限りなく広がる。嵐山地区では、エリア制限の問題があるが、ドローン(小型無人機)を活用した輸送も考えられる。固定概念に縛られず、柔軟な発想で運営していきたい」と話す。 たちばな運輸は1954年、東映京都撮影所内で「たちばな産業」として創業、58年に現社名に変更した。映画の撮影機材運搬からスタートし、現在では2トンの平ボディー車から大型ウイング車まで24台を保有。時代の変化に合わせながら、大ロットの貸し切りから小ロットの混載便、保管・流通加工など業容を拡大してきた。子会社を通じての貸切バス事業参入もその一環で、今後、貨客混載も視野に入れる。 【写真=京都・嵐山地区に近い立地を生かし、観光客や制作会社の撮影班などの送迎を手掛ける】