サカイ引越、売上高3年連続トップ 前期 件数抑えて値上げ
物流企業
2016/05/09 0:00
サカイ引越センターは4月28日の決算発表会で、2016年3月期の引越事業の売上高、取扱件数が3年連続トップになる――との見通しを明らかにした。連結売上高が前の期比3.5%増の732億9500万円、引越件数は3945件減の71万331件で、純利益は43億2100万円(前の期比0.5%減)だった。(蓮尾輝) 単独では、売上高708億900万円(3.0%増)、営業利益65億1100万円(5.0%増)、経常利益69億500万円(4.3%増)、純利益42億2700万円(0.8%減)と、不動産のセールアンドリースバックにより、純利益のみマイナスとなった。 地区別の売上高は、北海道・東北が58億8100万円(1.5%増)、関東249億3500万円(2.2%増)、中部・東海114億8200万円(2.7%増)、近畿147億7千万円(4.2%増)、中国・四国58億円(6.0%増)、九州・沖縄98億7600万円(6.1%増)。 取扱件数の減少について、中野秋代専務は「雇用確保には労働環境の改善が必要。件数を抑えて1件当たりの料金を引き上げた」と説明した。 また、値上げ分は品質の向上で他社との差別化を図る方針で、「顧客の満足度の調べ方を、アンケートから直接電話の方式に変更し、より正確な情報の収集に努めている。問題があった社員の指導を徹底するなど社員教育の強化を通じて、品質アップを図っている」と述べた。 今後の経営方針として、インターネット受注やターミナルとなる拠点の開設による生産性の向上、企業法人向け営業の強化を挙げた。首都圏を中心に、法人営業の担当者を30人増やし、270人体制に拡充する。拠点整備については「茨城県土浦市や川崎市を始めとする9支社を計画している。しかし、土地の確保が難航しており、このうち5支社を開設できればと思う」と語った。 SDホールディングス(宮川重徳社長、東京都渋谷区)の子会社化では、真鍋彰郭経理本部長が「ダスキンのフランチャイジーとしてクリーンサービス事業を行っている会社で、そのままでも業績は安定しているが、引っ越しサービスとのシナジー(相乗効果)を期待している。引っ越し後に部屋の掃除をするプラン導入など、我が社のサービスに更なる付加価値をつけたい」と述べた。 17年3月期は、連結売上高762億4400万円(前期比4.0%増)、営業利益71億7400万円(5.7%増)、経常利益73億3200万円(3.2%増)、純利益41億5300万円(3.9%減)を見込む。 【写真=中野専務(中央)らが決算発表に臨み、今後の経営方針を表明】