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ヤマトが一括配送、多摩ニュータウンで 佐川・JPと協業

物流企業

2016/05/02 0:00

 ヤマトホールディングスは、東京都多摩市の多摩ニュータウンで佐川急便(荒木秀夫社長、京都市南区)、日本郵便(JP、高橋亨社長、東京都千代田区)の荷物を一括配送する。ヤマトHDによると、オフィスビルや商業施設内の物流を「館内物流」として1社が引き受ける事例は増えているが、地域で他社の荷物を一括配送するのは初めて。労働力不足の解消や物流効率化、環境負荷の低減などに向けた「協業」事業が一歩を踏み出した。(高橋朋宏)  4月27日、多摩ニュータウン内の2カ所でオープンした「くらしのネコの手サポートネコサポステーション」のセレモニーで発表した。  ヤマトHDの山内雅喜社長は「いろいろな方の協力を得て、新たな取り組みが始まる。ヤマトグループはこれまで行政と連携して、地域課題や社会問題の解消を図る事業を展開してきた。今回の試みは、地域を支える持続可能な物流ネットワークを創出するプロジェクトで、国土交通省が推進するモデル事業から生まれた」とあいさつ。  続けて、「便利で快適、安心できる豊かな社会をつくる手伝いがしたい。この地域で各社の荷物を一緒に届ける一括配送サービスのほか、様々な面で住民生活をサポートしていく。サービスの提供に当たっては、地域住民にサービススタッフとして活躍してもらい、皆でまちづくりを進める。社会問題を解決する先進的なモデルになると思う。助言、指導を受けながら更に進化させたい」と述べた。  来賓を代表してあいさつした羽尾一郎・国交省物流審議官は「過疎地では宅配システムを含めて物流の維持が難しくなっているが、高齢化が進む都市近郊も同様。物流事業者と地域住民が一緒に向き合わないといけない」と強調。  更に、一括配送について「佐川急便、日本郵便の荷物も運ぶ。競争するところは競争する、協業できるところは協業する、という意味でも、非常に画期的な取り組み。ネコサポステーションは同業者間の連携の象徴だ」と述べた。  ネコサポステーションは、ヤマトHDと多摩市、都市再生機構(上西郁夫理事長)が主体となって整備、他の物流事業者の荷物も預けられる「オープン型」の宅配ロッカーも設置した。暮らしをより便利で快適にするサービスを提供していく。  住民の買い物を代行するサービス「お買物代行」では、ヤマト運輸(長尾裕社長、中央区)が電話やインターネットなどで商品の注文を受け、店舗で購入品を集荷・仕分けをして自宅まで届ける。まずはコープみらい貝取店から始め、将来的にはドラッグストアやホームセンターまで広げていきたい考えだ。  また、「お買物便」は、住民が店舗を訪れて購入した商品を当日届けるサービス。ほかに、掃除や電球交換、家具の組み立てなどをする「家事サポート・お元気確認」も実施する。  セレモニー後、長尾社長は「宅配+α、顧客ニーズ+αのサービスを提供していかないといけない。労働力不足は深刻で、物流事業者は互いのリソースを使い合う時代に入っている」と述べ、買い物代行などについては「流通をデザインし直すことも必要だと考えている」と話した。 【写真=ネコサポステーションのオープンを祝してテープカット】





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