西大寺運送、岡山物流センター稼働 倉庫業に本格参入
物流企業
2016/04/28 0:00
【岡山】西大寺運送(入倉栄作社長、岡山市東区)が建設していた岡山物流センター(同市南区)の1期工事(A棟)が完成し、12日から稼働した。山陽自動車道・早島インターチェンジ(IC)から車で5分の好立地。また、岩盤の高台にあるため、荷主のBCP(事業継続計画)を支援する物流拠点としても優位性があり、見学会を開催してメーカーや同業者にアピールしていく。半年後に敷地内で2棟目(B棟)、3~5年以内に隣接地で3棟目(C棟)の工事に着手し、既存の倉庫を含めて県内で総床面積3万3千平方メートルの庫腹を確保していく方針だ。(江藤和博) 同社は買い取り物件の改装や賃借で倉庫を県内に広げており、岡山物流センターは初の新築自社物件。これを機に、倉庫業に本格参入する。 同センターは敷地1万3200平方メートルで、A棟は2階建て倉庫(延べ床面積6600平方メートル)と事務所(460平方メートル)を備える。どんな荷物にも対応できる汎用(はんよう)タイプの倉庫で、天井高は1階が6.5メートル、2階は6.2メートル。天井クレーンを設置しているほか、垂直搬送機は迅速性を追求したパレット専用とカゴ車に対応できるトレー式を、それぞれ2基完備している。 また、屋根には太陽光発電システムを導入。更に、2013年に認証取得した情報セキュリティーマネジメントシステムのISO27001を生かし、個人情報管理に万全を期した体制を整える。当面はスタッフ15人、車両10台を配置するが、将来は35~40人、30台程度まで増やす。 A棟は低床式倉庫だが、B棟は高床式を計画中だ。2階建て、延べ床面積3300平方メートル程度で、17年4月の稼働を目指す。また、1万6500平方メートルの隣接地を確保しており、ここに建設するC棟は9900~1万3200平方メートルの大型倉庫になる予定。 同社は本社倉庫、東部物流センター(同市東区)、北部物流センター(美作市)、津山物流センター(津山市)を抱えるほか、外部倉庫も賃借しているが、いずれもフル稼働の状態。既存の倉庫の総床面積は9900平方メートルで、今後、岡山物流センターの3棟を合わせて3万3千平方メートルの倉庫群を構築していく。 また、県内の倉庫拡充と並行して、中国地方でネットワークを構築する。山陰2県は協力会社と連携しつつ、山口県で来年までに自前か賃借で倉庫を確保する計画。同社は車両165台を保有し、16年1月期の売上高は22億円。5年後には30億円を目指す。 入倉社長は「当社は子会社の西運ロジ(入倉社長、岡山市東区)で倉庫運営のノウハウを蓄積してきたが、新築物件を手掛けることで建物に関するノウハウも身に着いてきた。自前の岡山物流センターからの出荷を増やすことで、ドライバーの手待ち時間も削減していきたい」と話している。 【写真=荷主のBCPを支援する物流拠点としても優位性がある】