近畿圏/高速料金体系、奈良県知事が大型トラへの課金提唱
行政
2016/04/11 0:00
奈良県の荒井正吾知事は7日、県内道路ネットワークの最適化に向け「交通需要マネジメント(TDM)に取り組むべき」として、名阪国道を通過する大型トラックに課金する制度の導入を提唱した。ただ、「(旧運輸省の)自動車交通局長を務めたから、トラック業界の事情はよく分かる」とトラック事業者への理解を示した上で、「軽油引取税の暫定税率分の引き下げとセットで課金制度を導入してはどうか」との見解を示した。(田中信也) 国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(寺島実郎部会長、日本総合研究所理事長)が同日行った、近畿圏の高速道路通行料金の在り方に関するヒアリングで、同県を横断する名阪国道と、縦断する京奈和自動道の現状と課題について説明。改善策を提案した。 大阪―名古屋を結ぶ3ルートのうち、名阪国道を含むルートのみ無料区間があるため、奈良県の観光の最重要スポットである奈良公園、大宮通りを、大型トラックが有料区間を回避するため通過している状況を問題視。他の2ルートと比べ料金が半分程度であるため、「交通が集中し、ネットワークが最適化されない」と指摘。 また、外国籍の大型貨物交通の増大を受け、大型トラックへの課金を実施し、その収入を道路の建設、維持修繕などに充当するドイツの事例を紹介した。これらを踏まえ、名神高速道路、新名神高速道路と併せた最適交通を実現するためTDMに取り組み、名阪国道を通過する大型トラックに課金する考えを提起した。 一方、京奈和道については、未着手の大和北道路が無料で開業すると、「名阪国道へ更に大型トラックが集中し、交 なお、課金に関しては、通勤、通院など日常生活に利用する地元ユーザーは対象外とするが、通過大型トラックに通過大型バスも対象に加えるかなど検討の余地がある。 【写真=車種区分統一に際して首都圏と同様の措置を要望(首都高・霞が関出入り口付近、7日)】