JR東日本物流、地域活性物流スタート 青森から第1号便
物流企業
2016/04/11 0:00
ジェイアール東日本物流(市川東太郎社長、東京都墨田区)は1日、グループの東北鉄道運輸(渡部哲雄社長、仙台市太白区)とジェイアールバス東北(中村泰之社長、青葉区)と連携して設立した地域活性化物流LLP(有限責任事業組合)のサービスをスタートさせた。 5日に青森市で出発式を開催。関係者らがテープカットで祝った後、トランクの空きスペースに青森の地産品を積んだ東京駅行きの高速バスが出発した。 同サービスは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が東日本地域の食材、加工品などを首都圏のショップや飲食店で提供する、地域再発見プロジェクト「のもの」事業をステップアップさせる取り組み、新たなブランド「おやつTIMES(タイムズ)」を立ち上げ、青森県の4品、福島、茨城、千葉の各県からそれぞれ2品の菓子類を、首都圏の駅ナカショップ134店舗で販売する。 出荷第1号便となったバスは、南部せんべいラスク2種と長芋チップスなどが入った段ボール箱を積んで出発。これまでは、首都圏から遠距離になるほど物流費の負担が大きくなっていた。同社グループのトラックと高速バスのトランクの空きスペースや、物流拠点などの既存インフラを有効利用することでコスト低減を図り、地産品マーケットの拡大を目指す。 また、生産者にとっては、出荷方法や時期を選択できることが魅力。まとまった量を輸送したい場合はトラック、少量を小分けで運びたい時はバスなど、それぞれのメリットを生かしたルートが利用できる。輸送費は従来の3分の1に抑えられる見通しだ。 出発式で、市川社長は「地方には良いものがたくさんあるが、物流コストがネックとなって首都圏で販売できないことが多かった。その障害を取り除くことになればうれしい。まだ始まったばかりだが、グループ全体で支えながら大きく育てていきたい」と話した。(今松大) 【写真=トランクの空きスペースに青森の地産品を積む】