北海道取引労働改善協、水産業対象手待ち検証 長距離・季節波動も
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2016/03/31 0:00
【北海道】北海道運輸局と北海道労働局は15日、北海道のトラック輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会(千葉博正座長札幌大学教授)の会合を開き、2015年9月に実施したトラック輸送の実態調査(全国及び北海道)の結果を報告し、16年度から17年度に実施する長時間労働改善のパイロット事業(実証実験)について話し合った。 北海道での実態調査は、運送事業者43社、ドライバー190人(車種は大型50.4%、年齢40~59歳、うち女性2人)を対象に実施。長時間労働の要因とされる手待ち時間がある運行は全体の41.8%で、1運行当たり平均1時間33分となり、手待ち時間が無い運行と比べて拘束時間は55分長かった。 特に、長距離運行の平均拘束時間は、短・中距離運行より4時間長く、輸送品目別では軽工業品や農水産品で長く拘束される傾向が顕著だった。 拘束時間を分析すると、1運行当たりの拘束時間が13時間超は全体の29.5%、16時間超が4.6%あり、休息期間8時間未満の運行は4.4%で、トレーラの割合が高かった。 調査7日間のうち休日が無かったドライバーは8.4%、連続運転時間4時間超の運行が9.6%あった。 また、荷役作業は発荷主で38.2%、着荷主で61.8%あり、作業の平均時間は発荷主50分、着荷主39分。その他付帯作業では①保管場所までの横持ち運搬②検品③商品の仕分け――が主な内容だった。 パイロット事業は、ドライバーの労働条件改善に向け、地域の事情を踏まえた実践的な議論を進めるために、各都道府県の協議会が新年度から2年間取り組むもので、発荷主と着荷主、運送事業者(元請け・下請け含む)の3者を対象として実施する。 具体的には、北海道を代表する水産業に焦点を当て、水揚げされた浜や港から札幌中央卸売市場への長距離輸送や季節波動、場内での手待ち時間などについて検証していく。(那須野ゆみ) 【写真=新年度から始まる実証実験について議論】